スヴェンセン

By , 2010年6月21日 9:01 AM

グリーグ、シベリウスと北欧の作曲家を紹介してきて、今回はスヴェンセン。スヴェンセンはスウェーデン統治下のノルウェーに生まれ、ほとんどデンマークで過ごしました。スヴェンセンの曲を聴く機会はなかなかないのですが、聴いてみると素晴らしい作品がたくさんあります。

「ヴァイオリンと管弦楽のためのロマンス」は甘美なメロディーが徐々に燃え上がっていき、ベートーヴェンとはまた違った「ロマンス」を見せてくれます。

・Judy Schomper plays ‘Romance’ Johan Svendsen

また、Youtubeで初めて知った弦楽四重奏はとても聴きやすい、良い曲なので是非聴いてみてください。いつか演奏してみたいものです。

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談合

By , 2010年6月20日 11:14 AM

6月 19日に郡山で秘密の会合がありました。ワールドカップにちなんだサッカー賭博・・・嘘です。

結婚して酒を飲ませてもらえない哀れな男達を慰める会・・・それも嘘です。

私が運営しているメーリングリストで誘ってみたら、奇跡的に全員集まれたという、神内戦隊ゴレンジャー(一人は呼吸器内科医)。みんな、かつて同じ病院で働いていた仲間達です。ただ、時期はそれぞれずれているので初対面になる人もいました。

泉屋に寄って、「会津娘」「五凛」を買い、「日高見 (愛山)」「雪漫々」を実家に宅配便で送ってから参加。泉屋さんは地酒の揃う、お薦めの名店です。

談合で使われた料亭はくぼた屋の個室。土曜日なので混むと思って電話で予約していたのですが、ワールドカップの日本対オランダ戦当日ということで、空いていました。この焼肉屋さん、肉が美味しいですし、日本酒も充実しています。飲んだ日本酒は「呼友」「清泉」「国権」など。

話題は病院の現状、末梢神経障害で診断の難しかった症例、磁気刺激の話題、Parkinと PINK1の話、あやまん Japan・・・内容は学会と変わりませんね。質疑応答で、chunchukurin先生、はりやこいしかわ先生、skado先生の夫婦生活について突っ込みましたが、誰も口を割りませんでした。残念。

教育講演は、chunchukurin先生から、女性は結婚すると 3年目と出産後に変わるという内容で、教訓的でした。なにしろ、急に恐くなるらしいのです。何故恐くなるかの研究は行き詰まっており、おそらく未知のウイルスが関与しているかもしれないとも言われています。ここだけの話ですが、世の中の半数を占めるといわれる「女性」という秘密結社により、色々と妨害を受け、グラントも削られているのが、研究の進まない理由であるそうです。

あとは cellの論文読んでいてわからないところを chunchukurin先生に教えて頂きましたが、焼肉食べながら cellの論文読んでいる人、他に見たことないですね (^^;

持っていたノート PCをネットにつなぐと、海外のサイトで日本対オランダの試合をストリーミング中継していたので、それを見て盛り上がりました。私の iPhoneの「ブブゼラ」アプリも大活躍でした (^^)

サッカーよろしく健闘をたたえ、chunchukurin先生とユニフォーム交換ならぬ日本酒の交換をしました。私が「大雪渓」を渡すと、彼が「飛露喜」「奈倉山 かほり」「獺祭」くれました。たくさん頂きすぎてしまいましたので、今度 chunchukurin先生が東京に来るときには接待させて頂こうかと思います。そうだな・・・金と女でも握らせるか・・・ (嘘)

帰りの新幹線は、がらがらの貸し切り状態で、はりやこいしかわ先生、methyl先生と 3人で「田酒」を飲んでいたら、郡山~大宮の間に 4合瓶が 1本空きました。ワインを買いたして、更に飲んでいた酔っぱらい達。

自宅近くのコンビニでカップラーメン買って帰ったのに、家に着くまでに紛失するというくらい、酔っぱらいました。あ~、楽しかった!

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シベリウス

By , 2010年6月19日 7:57 AM

6月 18日に、グリーグについて紹介しました。今回は北欧の作曲家第 2弾です。シベリウスを紹介します。シベリウスは北欧の作曲家の中で一番有名かもしれません。私の興味によりヴァイオリン曲のみ触れます。

シベリウスはフィンランド出身です。父親は外科医であり、1868年にコレラで死亡しました。また、シベリウス自身 1908年に喉頭癌の疑いで手術を繰り返し、禁酒禁煙を言い渡されていたそうです (「音楽現代」2004年4月号より)。最終的に彼は脳出血で亡くなりました。

まず紹介する曲は、1903年に作曲されたヴァイオリン協奏曲。シベリウスの作品では、どちらかといえば交響詩フィンランディアの方が有名かもしれませんが、ヴァイオリン弾きにとっては、こちらの方が親しみがあります。シベリウスのヴァイオリンコンチェルトなので、シベコンと略します。初版は不人気で、シベリウスはブラームスのヴァイオリン協奏曲に感銘を受け改訂しました。改訂版の初演は何とリヒャルト・シュトラウスだったそうです。

演奏はヴェンゲーロフやツィンマーマンの演奏が個人的に好きですが、Christian Ferrasを紹介しておきます。フェラスは最後自殺した悲劇のヴァイオリニストでもあります。彼はカラヤンとの録音を繰り返したことが有名ですが、この録音の指揮者はズビン・メータですね。この動画ではメータは凄く若く見えます。ちなみにメータは医学を志していたことがあるそうで、親近感を持ちました。(Ferrasは「ヴァイオリニスト33 名演奏を聴く (渡辺和彦著、河出書房新社)」によると正しくはフェラと発音するそうですが、日本での慣習に則りフェラスとしておきます)

・Christian Ferras plays Sibelius Violin Concerto: 1st mov.

・Christian Ferras plays Sibelius Violin Concerto: 2nd mov.

・Christian Ferras plays Sibelius Violin Concerto: 3rd mov.

演奏される機会は少ないですが、シベリウスは弦楽四重奏曲も作曲しています。1908年から1909年にかけて作曲された「親愛なる声」という弦楽四重奏曲は、シベリウスが喉頭癌を疑われ、健康不安を抱えていた時期に一致します。彼の悩みをついつい曲に重ねて聴いてしまいます。非常に内向的な曲と思います。

 

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毒舌ドクターBermudaの三角形な気持ち

By , 2010年6月18日 10:02 AM

先日、Bermuda先生と飲みに行ってきました。私は病棟の飲み会があったので、18時から 20時くらいまで軽く池袋で。

詳しい話はあまり言えないけど・・・というのは飲み過ぎて記憶が定かじゃないから・・・また今度飲もうという話になりました。

あー、懐かしかった。

Bermuda先生のブログ紹介しておきますね。ジャパンブログアワード受賞してるとか、産経新聞で連載してるとか、詳しくは先生のブログを見せてください。

毒舌ドクターBermudaの三角形な気持ち

あと、Bermuda先生の出している本もお薦めです。この本で勉強すれば、国試のギネの問題はバッチリ (嘘)

産婦人科医バミュの「小悪魔日記」

おいらと飲みに行ったときの話、ブログでちらりと触れられてました。

毒舌ドクターBermudaの三角形な気持ち-遺伝子の話-

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グリーグ

By , 2010年6月18日 9:49 AM

先日、ハンセン病資料館に行った話で、少し触れましたが、ハンセン病に名を残したハンセンはノルウェー人です。

ノルウェーという国のイメージはなかなか湧きにくいもので、スウェーデン、デンマーク、フィンランドといった他の北欧諸国とどうも入り交じってしまいます。

ノルウェー出身で日本知られている人物では画家のムンクが有名ですが、もう一人忘れてはいけないのはグリーグです。劇音楽「ペール・ギュント」が有名かも知れませんが、多くのピアノ曲を残し、「北欧のショパン」とも呼ばれました。私もお気に入りの曲がいくつかあるので、今日は軽くグリーグについて紹介します。

クラシック音楽がロマン派に於いて一つの技術的な頂点を迎えた後、新たな世界を求め、民族音楽との融合が流行りました。勿論ベートーヴェンなども民謡をテーマにしたりしているのですが、音楽に織り込まれた民族性の要素という点が桁違いに違うのです。例を挙げると、ロシアのチャイコフスキー、ハンガリーのコダーイやバルトーク、ルーマニアのエネスク、日本の伊福部昭、アメリカのガーシュウィン、チェコのドヴォルザークやスメタナ、スペインのファリャなどが有名です。

北欧においては、グリーグ、ニールセンシベリウススヴェンセンなどが優れた曲を残しています。

さて、グリーグの置かれた音楽史的な背景に簡単に触れたところで、実際の楽曲を紹介します。私が特にお気に入りの曲です。

・Edvard Grieg String Quartet in G minor, Op. 27: I (part 1)

・Edvard Grieg String Quartet in G minor, Op. 27: I (part 2)

北欧の自然が脳裏に浮かぶような壮大なスケールの弦楽四重奏曲です。目を閉じていると、まだ見ぬ冬の北欧を旅しているような気持ちにさせてくれます。

・Grieg – Violin Sonata No.3, 2nd mov. / Ion Mazur & Akiko Danis, piano

始まりのピアノの澄んだ美しさが心に沁みます。ピアノの使い方の巧さに、グリーグが「北欧のショパン」と言われたことを納得させられます。ヴァイオリンの穏やかな始まりは、私にとって暖炉脇で赤ん坊を見つめる老人のイメージです (この演奏はやや音を張って弾いていますが、他の演奏家だともっと抑制的に演奏することが多いと思います)。曲の終わり方の未来に向かっていく感じも大好きです。

ちなみに、この曲は、あのフリッツ・クライスラーが録音しています。録音の相手は何とラフマニノフです。私はクライスラーの自作自演の全集を、レコード会社別に2セット持っていますが、そのうち1つに収録されていました。歴史的録音と言えますね。

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おくりもの

By , 2010年6月15日 11:08 AM

Twitterで 2歳の子供に何をプレゼントするか議論になっていました。私のお薦めはミニピアノ。カワイのサイトには、カワイのおもちゃ対象年齢一覧表があり、丁度ミニピアノは 1.5~2歳くらいが推奨されています。

そんなことを呟いていたら、mitzu_mjp氏から凄い動画を教えて頂きました。ミニピアノで上手に演奏する方がいるのです。

・Video2 – YouTube Symphony “Mozart’s Piano Sonata No.11 “Alla Turca” with toy piano”

これを見ていて、以前 meimeimさんから教えて頂いた動画を思いました。これはこれで凄い(2009年2月に一度紹介した動画です)。

・ミニチュアヴァイオリンでチャールダッシュby Maro

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乳癌の検診

By , 2010年6月15日 10:38 AM

Twitterで議論になった「余命1ヶ月の花嫁・乳がん検診キャラバン」。番組内容がおかしいとして、内容見直しの要望書や公開質問状が TBSに出され、物議を醸しています

TBS「余命1ヶ月の花嫁・乳がん検診キャラバン」の内容見直しを求める要望書提出について

世間一般では検診信仰というのがあるように思いますが、良い面ばかりではなく、なかなか複雑な問題を孕んでいます。李啓充先生のコラムを読むと、それらの問題を理解でき、上記の要望書の意味がわかるようになります。是非読んでみてください。

乳癌検診をめぐる大論争(1)

乳癌検診をめぐる大論争(2)

乳癌検診をめぐる大論争(3)

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結婚行進曲

By , 2010年6月14日 11:31 AM

こんな BGMの結婚式は如何でしょう?その前に相手だ罠

・~ニャンコが歌うクラシック~ ニャンクラ 「結婚行進曲」

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物理学者の心

By , 2010年6月14日 11:30 AM

「物理学者の心 (寺田寅彦著、学生社出版)」を読み終えました。以前紹介した科学随筆文庫の第1巻にあたります。

寺田寅彦は東京帝国大学実験物理学科を首席で卒業し、Natureに論文を載せている立派な科学者です。一方で、文学者であり、夏目漱石と親交厚く、「我が輩は猫である」の水島寒月のモデルであるとされています。

本書の最初の随筆は、「花物語」。昼顔、月見草、栗の花、凌霄花 (のうぜんかずら)、芭蕉の花、野薔薇、常山の花、竜胆花の 8つの花をテーマにそれぞれ思い出話を書いていますが、淡い遠き日の美しい、あるいは切ない記憶が読む人を引き込みます。

次の随筆は、「病院の夜明けの物音」。明け方に病院で聞こえる物音を臨場感たっぷりに描写しました。あるいは、寺田寅彦は胃潰瘍に悩まされていたので、実体験だったのかもしれません。随筆の最後まで延々と音の描写が続くのですが、最後の数行に著者の心情が描かれます。ここまで情景しか描いてなかったので、却って深みがあります。その最後の数行を引用します。

 自分の病気と蒸気ストーブは何の関係もないが、しかし自分の病気もなんだか同じような順序で前兆、破裂、静穏とこの三つの相を週期的に繰り返している気がする。少くも、これでもう二度は繰り返した。一番いやなのはこの「前兆」の長い不安な間隔である。「破裂」の時は絶頂で、最も恐ろしい時であると同時にまた、適当な言葉がないからしいて言えば、それは最も美しい絶頂である。不安の圧迫がとれて貴重な静穏に移る瞬間である。あらゆる暗黒の影が天地を離れて万象が一度に美しい光に照されると共に、長く望んで得られなかった静穏の天国がくるのである。たとえこの静穏がもしや「死」の静穏であっても、あるいはむしろそうであったらこの世の美しさは数倍も、もっともっと美しいものではあるまいか。

「蓄音機」という随筆は、当時流行した蓄音機にまつわるものです。「グラモフォーン」という語も登場します。グラモフォーンは今では CDのレーベルとして有名ですが、昔は蓄音機を作っていたんですね。著者は中学生時代に初めて見た蓄音機に大きな衝撃を受けました。しかし、その後汽船の中で流される閉円盤レコードの音に悩まされて以後、あまりレコードに良い印象を持っていなかったようですが、妻を亡くしてから淋しさの中に聞いた御伽劇のレコードに涙し、蓄音機を購入します。その後、生と録音の違いなどについて思索が巡らされます。なかなか含蓄のあるエッセイでした。

「茶碗の湯」は茶碗に入った一杯の湯についてだけで書き上げた随筆です。よくここまで話を膨らませるものだと感心しました。

「相対性原理側面観」は著者の専門領域の一つ。この難しい理論が理解出来ないという声が大きいので、彼は「理解する」のがどういうことかという議論を提唱します。「ニュートン力学」は相対性理論の出現によって初めて理解が可能になったのであって、ニュートンですら理解していなかったというパラドックスに逢着します。つまりアインシュタイン自身相対性理論を徹底的には理解できていないとも言えるのです。そうしたことを踏まえて、この理論をどう味わえば良いか述べていきます。

この随筆にいくつも示唆に富む言葉があったので紹介しておきます。

・「完全」でないことをもって学説の創設者を責めるのは、完全でないことをもって人間に生れたことを人間に責めるに等しい。
・少くとも我々素人がベートーヴェンの曲を味うと類した程度に、相対性原理を味うことは誰にも不可能ではなく、またそういう程度に味うことがそれほど悪いことでもないと思う。
・私は科学の進歩に究極があり、学説に絶対唯一のものが有限な将来に設定されようとは信じ得ないものの一人である。それで無終無限の道程をたどり行く旅人として見た時にプトレミーもコペルニクスもガリレーもニュートンも今のアインシュタインも結局はただ同じ旅人の異なる時の姿として目に映る。
・自然の森羅万象がただ四個の座標の幾何学に詮じつめられるということはあまりに堪え難き淋しさであると嘆じる詩人があるかもしれない。しかしこれは明らかに誤解である。相対性理論がどこまで徹底しても、やっぱり花は笑い、鳥は唱うことを止めない。

本書には、その他にも面白い随筆が一杯です。研究者には「科学者とあたま」という随筆を紹介したいです。「頭が良い」ことで陥りがちな失敗について触れられています。

寺田寅彦の随筆は青空文庫にもたくさん掲載されています。著者権が切れており、無料で読むことが可能です。

青空文庫-寺田寅彦-

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Mozart comedy with piano for two!!

By , 2010年6月13日 12:08 AM

ベタなコントなのですが、ピアノを使ったコントということで。

・Mozart comedy with piano for two!!

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