ハンセン病資料館

By , 2010年6月12日 11:52 PM

本日ハンセン病資料館に見学に行ってきました。感染症を専門としている heropu先生から Twitterを通じて誘われ、神経内科医として是非とも見学したいと思って、一緒に伺いました。ハンセン病は末梢神経障害を起こすので、神経内科医が知っておかないといけない疾患なのです。

清瀬駅から 2 kmくらい。バスに乗ると、10分くらいでしょうか。途中、複十字病院を通った際、結核に対する検査「Quantiferon」が一般の施設で出来なかった時代に、検査を依頼したのを思い出しました。

ハンセン病資料館は自然に囲まれ、外観からは悲惨な歴史を内部に展示しているとは露とも感じさせませんでした。この資料館は多摩全生園に隣接しています。全生園は春には桜が非常に綺麗なのだそうです。勤務していた医師から、東京で一番桜が美しい場所だと聞きました。

資料館は入館無料で、常設展示の一画は整備中で見られませんでしたが、その分特設展示を見ることが出来ました。多くの展示物から、悲惨な歴史を学びました。このような歴史知ることは大切ですし、また疾患に対する正しい知識を得ることも必要です。

らい菌を発見しハンセン病に名前を残したハンセンを Wikipediaで調べると、一癖も二癖もある人物だったらしく、感染性の実験のために少なくとも1人の女性患者を感染させようとし、これにより裁判沙汰となり、彼は病院での地位を失ったそうです。ただ梅毒でもこれに類する事例があって、梅毒の歴史という本にリコールが囚人に淋病を移植し、梅毒が発生しなかったことから、梅毒と淋病は違う疾患であることを示したことが記されています。ハンセンが梅毒に罹患していたと知り、関係があるかないかはわかりませんが、似たようなことをしていたのに少し考えさせられました。

見学が終わってから、館内の図書館でハンセン病の勉強を色々して帰りました。「標準皮膚科学 (西川武二監修、医学書院)」は簡潔に纏められており初学者にお薦めです。また、「総説 現代ハンセン病医学 (大谷藤郎監修, 東海大学出版会)」は基礎医学から臨床まで詳細に記載されていました。

ハンセン病は治療可能な疾患であり、早期に診断をつけることが重要であると思います。特に神経内科医、皮膚科医が最初の砦であることを自覚し、臨床に当たりたいと思いました。

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Muppet

By , 2010年6月12日 6:12 AM

The Muppet showシリーズが Youtubeにアップされています。音楽関係の劇の面白いこと。それにしてもこのシリーズたくさんあって、当分飽きなさそうです。

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将棋思考プロセス研究

By , 2010年6月11日 10:56 AM

6月10日に将棋思考プロセス研究のため、和光市にある理化学研究所に行ってきました。

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Mr. Bean conducts Christmas Orchestra

By , 2010年6月10日 7:39 AM

懐かしの Mr. Beanをこんなところで発見。指揮者に扮して大爆笑させてくれます。

・Mr. Bean conducts Christmas Orchestra

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クーベリック

By , 2010年6月9日 6:18 PM

クーベリック・・・と聴くと、多くのクラシック愛好家は指揮者の「ラファエル・クーベリック」を思い浮かべるのではないでしょうか?しかし、ヴァイオリン弾きにとってのクーベリックは「ヤン・クーベリック」なのです。

ヤン・クーベリック(以下、クーベリック)は、セヴシックと共にプラハ派の中心人物でした。セヴシックはクーベリックの師ですが、ヴァイオリン弾きはあのメカニックな練習教本で嫌と言うほど名前を胸に刻み込んでいる筈です (^^;

さて、録音で聴くクーベリックの演奏は、コントロールされたボウイングと、甘いポルタメントが散りばめられた演奏の滑らかさが特徴であるように私には思えますが、ハルトナックは「(1905年~1920年の録音について)これは、かつての好調時の彼がもっていた芸の艶を失っており、同時に、いわゆるプラハ派をみずから絶対的に率いていたこのヴァイオリニストの名声の輝きもまた薄れたしろものなのである」と酷評しています(「二十世紀の名ヴァイオリニスト」ヨーアヒム・ハルトナック著、松本道介訳、白水社)。

全盛期のクーベリックを聴くことは叶いませんが、せめていくつかの録音から彼の残り香を感じることにしたいと思います。

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Argument to Beethoven’s 5th

By , 2010年6月8日 11:37 AM

この動画は凄い。ベートーヴェンの運命に合わせて、ジェスチャーのみで、ある情景を表現します。二人の男女が、猛烈に口論しているのです。話が進んでいく内に男性の浮気がテーマになっていることに気付きます。

女性は男性の服に、自分のとは違う長い毛を見つけます。そして男性に切れると、男性は逆切れして出て行きます。女性は憤慨してソファーに座り、寄ってきた飼い犬を撫でて気分を落ち着けます。そこでふと気付いたのは、男性についていた長い毛が犬の毛だったということ。男性が戻ってきて大円団です。

・Argument to Beethoven’s 5th

こんな演技が成り立つのも、音楽が音楽以外何も表現しないからです。Bernsteinは NYフィルを率いて行った伝説の公演 Young people’s concertの初回「What is the music?」で、「音楽は音符の集まりであって、音楽しか表現しない」というようなことを述べています。つまり、曲について何も知らない人が「美しき青きドナウ」を聴いてもドナウ川を思い浮かべないことからわかるように、音楽はある特定のシチュエーションを表現しないからこそ、様々なシチュエーションにマッチするのです。従って、「運命」を浮気の現場に当てはめることもで出来るし、受験の失敗に当てはめることもできるし、病気の告知に当てはめることも可能です。やっぱり音楽はただ音楽なのだと感じさせられた動画でした。

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医学への道

By , 2010年6月7日 7:36 AM

科学随筆文庫というのがあり、その第26巻は「医学への道」という表題がつけられています。この本には「安騎東野」「木下杢太郎」「宮木高明」諸氏の随筆が収録されています。

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The Cyber Conductor

By , 2010年6月7日 6:35 AM

これまで、Igudesman & Jooについて何度か紹介してきました。

でも、何といっても、この動画が一番インパクトありました。見ながら爆笑!

・The Cyber Conductor

ちなみに、Igudesmanには公式(?)サイトがあるようなので紹介しておきます。

Aleksey Igudesman

最後に、ギドンクレーメルと行った舞台のダイジェストも紹介。

・BEING GIDON KREMER Trailer

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iPhoneアプリ2

By , 2010年6月7日 6:27 AM

半年前によく使うアプリについて書きましたが、続編。

Neuro Toolkit
NIHSSが簡単につけられます。各項目をクリックするだけで最後に表にしてくれるのです。また、各項目の詳しい内容を忘れてしまったとき(例えば麻痺があるときに失調をどうつけるか?とか)、「info」という蘭をクリックすると詳しい説明が載っています。その他、ABCD2 scoreや CHADS2 scoreも項目をクリックするだけでつけられます。

Kifu
将棋の棋譜を再生できます。自分で入力した棋譜も再生可能ですが、何と言っても「Web」ボタンをクリックして、掲載されているプロの棋譜を見られること。ものによっては中継をリアルタイムでみることができます。

SkyBook or i文庫
インターネット上で小説が無料で掲載されている青空文庫にある小説を読むことが出来ます。寺田寅彦の随筆がたくさん読めるのでお気に入りです。

その他、意外と便利なことに気付いたのは、最初からインストールされている「ボイスメモ」。単なるボイスレコーダーなのですが、譜面台に置いて録音モードにして楽器の練習をします。演奏が終わったら、スピーカーモードにして聴きなおして、演奏の修正点を考えて再度練習です。色々なことに気付けて重宝します。ボタンを一つクリックするだけなので、お手軽に使えて便利です。

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オーケストラ

By , 2010年6月6日 6:23 AM

映画「オーケストラ」を観てきました。

ボリショイ・オーケストラの名指揮者であったアンドレイはユダヤ人の演奏家達をかばって失職し、ボリショイ劇場の清掃員として働いていました。ある日、パリの劇場からボリショイ・オーケストラへの演奏依頼の FAXが届いたのを偶然見つけ、こっそりそれをポケットにしまいました。そして、30年前に自分と同じように解雇されたオーケストラの団員を集めて廻りました。メンバーを集めると、全員でボリショイ・オーケストラになりすましパリに向かいます。

アンドレイが指揮者としての職を失う時に演奏していたチャイコフスキーのヴァイオリン協奏曲を再びパリの地で蘇らせるのです。ソリストにはアンヌ=マリー・ジャケを呼びました。何故ジャケなのか?というのが映画の最後に明らかになります。高名な演奏家に成長しながら、ジャケが知らなかった出生の秘密。ジャケが探し求める両親は、アンドレイが失職したことに密接な関係がありました。それが明らかになっていく過程に引き込まれました。ジェケとアンドレイの揺れ動く心の描写が見物ですし、チェロのグロスマンの演技も良い味を出していました。

随所に笑いがちりばめられているのですが、押しつけがましい笑いではなく、思わずニヤッとしたり、「あはっ」と声が出たりしました。話の展開もスムーズで、だれることなく最後のクライマックスへ。

このクライマックスは凄いです。物語を貫く秘密が最後に明らかになり、チャイコフスキーの名演とシンクロします。

エンドロールが流れる中、席を立つ人は一人もいなくて、所々からすすり泣く声が聞こえてきました。私も鳥肌が立って、少し涙ぐみました。

といった感じで、この映画は必見です。個人的にはジャケが綺麗で恋しちゃいましたし・・・。

それに比べて、予告編で流れた他の映画のつまらなそうなことつまらなそうなこと・・・。金払ってまで長々と広告見せないでくれぇ。本編が始まる前の広告見なくて済むのなら、多少値上げされても全然我慢します、と極個人的な御願い。

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