エルサルバドル

By , 2006年10月5日 7:53 PM

今日は教授の誕生日。医局でみんなでケーキを食べました。教授の回診をみていると、考え方の根本から次元が違うことを痛感させられます。例えば、「てんかんは皮質から神経線維を伝って不随意運動が起こるけれど、多発性硬化症などの白質病変があると、異常な興奮が伝わらなくなって、てんかんは改善するのでしょうか?皆さんでそういった報告を知っている人はいますか?てんかんの研究家達が言うように、皮質には横走線維があるのでしょうか?」「パーキンソン病の人に、右手で手回内回外試験、左手で指タップをした後、手を逆にしてやってもらうと、右手で手回内回外試験をしながら右手で指タップをする。これは一種の保続ではないでしょうか?」常に疑問を提示され、如何に自分たちがわかっていないことをわかったつもりでいるか痛感させられます。論文や教科書では得られない知識が多く、勉強になります。しかし、教授回診の際は20人以上の医師が周りをとりかこみ、教授の側に近寄ることも非常に困難な状況です。

エルサルバドルから当科に勉強しにきている内科医がいます。いくつかの症例を英語で説明してあげていますが、なかなか難しいものです。一方、自分で英語で説明したことが、通じた瞬間はとてもうれしく感じます。同僚に、アメリカの大学を出て、日本の医学部を卒業した医師がいるので、普段は彼が付き添って教えています。通訳もしてくれます。

エルサルバドルでは、MRIの検査が困難で、髄液検査の際も、日本のように頭部CTを撮影せず、眼底チェックのみで済ませるなど、国による医療の違いを教えてもらいました。

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