Alemtuzumab

By , 2013年2月10日 12:08 PM

多発性硬化症に対する治療薬 Alemtuzumab (Lemtrada) が FDAに承認申請され、受理されました。Sanofi社は、今年下半期までに承認されることを期待しているようです。

Sanofi expects FDA decision on Lemtrada in H2

PARIS | Wed Jan 30, 2013 5:31am EST

(Reuters) – Sanofi expects the U.S. Food and Drug Administration to rule on its application for multiple sclerosis treatment Lemtrada by the second half of this year.

The injectable drug, chemically known as alemtuzumab, is one of the new products the French drug maker is betting on to restore growth after losing several blockbusters to generic rivals.

The drug, which late-stage trials have shown helps people who have not responded to other multiple sclerosis treatments, has already been submitted for review by the European Medicines Agency.

In a statement, the French drugmaker also said that an expert committee at the EMA was expected to give its opinion on the medicine in the second quarter of 2013.

Sanofi’s biotech subsidiary Genzyme developed Lemtrada, which was sold until September 2012 under the name Campath as treatment for leukemia and given more frequently at a higher dosage. Sanofi withdrew it from the market while it seeks to get it approved as a treatment for MS, although it remains available free of charge to leukemia patients.

Analysts said the move would allow the company to adjust the price to match that of rival MS drugs on the market.

(This story has been corrected to show that it is the European Medicines Agency that is due to give an opinion in the second quarter)

(Reporting by Leila Abboud; Editing Dominique Vidalon and Helen Massy-Beresford)

Alemtuzumabは、CD52に対するモノクローナル抗体で、Bリンパ球及び Tリンパ球の消失、再生を通じて獲得免疫の長期に渡る変化を引き起こします。臨床試験では、再発寛解型多発性硬化症患者において、インターフェロンβ1aと比較してかなり良好な成績を残していますが、副作用が多岐にわたり、気になる所です。また、効果が長いので、副作用があったときに、薬を中断しても薬の効果が続いてしまう恐れもありそうです。

多発性硬化症は治療薬がどんどん増えてきていて、もし承認されれば治療薬の使い分けにさらに頭を悩ませる時代が来そうです。

下に簡単に過去の臨床試験の結果を紹介しておきます。いくつか試験がありますが、患者背景によってデータが結構変わっていますね。

Alemtuzumab versus interferon beta 1a as first-line treatment for patients with relapsing-remitting multiple sclerosis: a randomised controlled phase 3 trial

[背景] 再発寛解型多発性硬化症に対して、第一選択薬としてのアレムツズマブの有効性と安全性を調べた第三相臨床試験

[方法] 過去に治療されたことのない 18-50歳の再発寛解型多発性硬化症患者を 24ヶ月間観察 (無作為化試験)

アレムツズマブ群 (376名):最初に 12 mg/dayを 5日間静脈内投与、12ヶ月後に 3日間再投与

インターフェロン群 (187名):インターフェロンβ1a 44μgを週 3回皮下注射

[結果]

再発率 (2年間):インターフェロン群 40% (122 events), アレムツズマブ群 22% (119 events) (アレムツズマブはインターフェロンに対して 54.9%の再発抑制効果)

再発のなかった患者の割合 (2年間):インターフェロン群 59%, アレムツズマブ群 78%

機能障害の継続:インターフェロン群 11%, アレムツズマブ群 8%

副作用:

アレムツズマブでは 90%に静脈注射に関連した副作用が見られた。頻度の多いものとして、頭痛 43%, 皮疹 41%, 発熱 33%, 吐き気 14%, 蕁麻疹 11%, 顔面紅潮 11%, 悪寒 10%があった。静脈注射における重篤な副作用は 3%に見られ、心房細動、血圧低下、徐脈、頻脈などであった。

感染症はインターフェロン群の 45%, アレムツズマブ群の 67%でみられた。特にヘルペス感染はインターフェロン群 2%, アレムツズマブ群 16%であり、アレムツズマブ群に多かった。

甲状腺関連の副作用はインターフェロンの 6%、アレムツズマブ群の 18%で見られた。アレムツズマブ群の 2例では、甲状腺乳頭癌を発症した。

アレムツズマブ群のみで、1%に自己免疫性血小板減少症が見られた。

 

Alemtuzumab for patients with relapsing multiple sclerosis after disease-modifying therapy: a randomised controlled phase 3 trial

[背景] 他薬での治療にも関わらず再発した、再発寛解型多発性硬化症に対して、有効性と安全性を調べた第三相臨床試験

[方法] インターフェロンβあるいは glatiramerで治療中に、少なくとも一回以上再発した 18-55歳の再発寛解型多発性硬化症患者を 24ヶ月間観察 (無作為化試験)

アレムツズマブ高容量群 (426名):最初に 24 mg/dayを 5日間静脈内投与、12ヶ月後に 3日間再投与→中止となったが安全性情報の解析にはデータを使用した

アレムツズマブ通常容量群 (170名):最初に 12 mg/dayを 5日間静脈内投与、12ヶ月後に 3日間再投与

インターフェロン群 (202名):インターフェロンβ1a 44μgを週 3回皮下注射

[結果]

再発率 (2年間):インターフェロン群 51% (201 events), アレムツズマブ群 35% (236 events) (アレムツズマブはインターフェロンに対して 49.4%の再発抑制効果)

再発のなかった患者の割合 (2年間):インターフェロン群 47%, アレムツズマブ群 65%

機能障害の継続:インターフェロン群 20%, アレムツズマブ群 13%

副作用:

アレムツズマブでは 90/97% (通常用量/高容量) に静脈注射に関連した副作用が見られた。頻度の多いものとして、頭痛 43/57%, 皮疹 39/53%, 発熱 16/20%, 吐き気 17/24%, 蕁麻疹 15/24%, 不眠 10/11%, 倦怠感 9/13%, 悪寒 7/14%, 胸部不快感 6/14%, 呼吸苦 6/11%, 筋痛 6/11%があった。

静脈注射における重篤な副作用は 3/3%に見られた (多岐に渡るが、不整脈はなかった)。

感染症はインターフェロン群の 66%, アレムツズマブ群の 77/83%でみられた。特にヘルペス感染はインターフェロン群 4%, アレムツズマブ群 16/16%であり、アレムツズマブ群に多かった。

甲状腺関連の副作用はインターフェロンの 5%、アレムツズマブ群の 16/19%で見られた。アレムツズマブ群の 2例では、甲状腺乳頭癌を発症した。

アレムツズマブ群のみで、1/1%に自己免疫性血小板減少症が見られた。

 

Alemtuzumab vs. interferon beta-1a in early multiple sclerosis.

[背景] 未治療で初期の再発寛解型多発性硬化症に対する第二相臨床試験

[方法] 未治療で、発症 3年以内、EDSS 3点以下の再発寛解型多発性硬化症を 36ヶ月間観察 (無作為化試験)

アレムツズマブ高容量群 (110名):最初に 24 mg/dayを 5日間静脈内投与、12ヶ月後に 3日間再投与→中止となったが安全性情報の解析にはデータを使用した

アレムツズマブ通常容量群 (112名):最初に 12 mg/dayを 5日間静脈内投与、12ヶ月後に 3日間再投与

インターフェロン群 (111名):インターフェロンβ1a 44μgを週 3回皮下注射

[結果]

年間再発率:インターフェロン群 36%, アレムツズマブ高容量群 8%, アレムツズマブ通常用量群 11%

再発のなかった患者の割合:インターフェロン群 51.6%, アレムツズマブ高容量群 83.5%, アレムツズマブ通常用量群 77%

EDSSの変化:インターフェロン群 +0.38, アレムツズマブ高容量群 -0.45, アレムツズマブ通常用量群 -0.32

MRIで測定した脳の容積 (3年間): インターフェロン群 -1.8%, アレムツズマブ高容量群 0%, アレムツズマブ通常用量群 -0.9%

副作用:

アレムツズマブでは 99.1/98.1% (通常用量/高容量) に静脈注射に関連した副作用が見られた。頻度の多いものとして、頭痛 66.7/55.6%, 皮疹 99.1/98.1%, 発熱 38.9/36.1%などがあった。

静脈注射における重篤な副作用は 1.9/0.9%に見られた。

感染症はインターフェロン群の 46.7%, アレムツズマブ群の 65.7/65.7%でみられた。特にヘルペス感染はインターフェロン群 2.8%, アレムツズマブ群 8.3/8.3%であり、アレムツズマブ群に多かった。

甲状腺関連の副作用はインターフェロンの 2.8%、アレムツズマブ群の 19.6/25.9%で見られた。

インターフェロン群の 0.9%, アレムツズマブ群の、3.7/1.9%に免疫性血小板減少性紫斑病が見られた。

(追記)

Reuterから訂正記事が出ていましたが、内容に大きな変更はありません。

CORRECTED-Sanofi expects FDA decision on Lemtrada in H2 2013

 

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