解体新書展

By , 2016年3月24日 10:53 PM

2016年3月20日秋田県での当直を終えて、そのまま東京に向かい、東京文庫ミュージアムで解体新書展を見てきました。

解体新書展

解体新書はマイブームです。それは、最近岩田誠先生のコラムを読んだからです。

・骨ケ原刑場跡と観臓記念碑

・杉田玄白の足跡

これらのコラムを読んで、いくつかの本を買って読みました。なかでも感銘を受けたのは小川鼎三が著された「解体新書 蘭学をおこした人々」です。小川鼎三先生は、ターフェルアナトミアの原著と杉田玄白らの「解体新書」の読み比べをしているんですね。例えば、下記のようなことは、読み比べをして初めてわかるものです。

蘭学事始にはその次に鼻がフルヘッヘンドしているという文にぶつかり、皆がたいへん苦労してフルヘッヘンドの意味をつかもうとしたことが載っている。良沢が長崎で入手してきた簡略な小冊子を参考にして、やっとその訳をウズタカシ(堆)ときめた。その着想を玄白が言いだして皆がそれに賛成した。「その時の嬉しさは、何にたとへんかたもなく、連城の玉をも得し心地せり」と玄白は述懐している。

むつかしい語を解いたときの愉快は大きかったであろう。ただ今日ターヘル・アナトミアの鼻のところをみても、フルヘッヘンドとかいう語 (verheffendeか) がない。「突出している」の意味では vooruitsteekendの語がそこでは用いられている。あるいは玄白の記憶ちがいかと思う。なにしろ蘭学事始を書いたときの元伯は八十三歳で、四十年あまり前の思い出を述べているのだからまちがいも起るだろう。

小川鼎三先生の著書では、解体新書の扉絵がどこに由来するか調べていたり、解体新書の翻訳に関わった人たちのその後について詳細に述べていたり、その研究の深さに驚かされます。

さて、今回の解体新書展、解体新書についての展示はそれほど多くありませんでしたが、古事記から解体新書前後までの日本の医学史を俯瞰することができ、とても勉強になりました。展示は 4月10日までですので、興味のある方はお早めにどうぞ。ちなみに、向かいの六義園は桜が咲き始めでした。今週末あたりは花見が楽しめるのではないでしょうか。

(追記)

2014年12月28日、「形影夜話」が入手できないかと書きましたが、入手することができました。「日本の名著22」に杉田玄白の書いた「蘭学事始」「後見草」「野叟独語」「犬解嘲笑」「形影夜話」「玉味噌」「耄耋独語」などが収載されています。

(参考)

津山洋学

医学用語の起り

医は忍術 (違


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