Category: 音楽

新しい音を恐れるな

By , 2014年4月24日 8:45 PM

新しい音を恐れるな 現代音楽、複数の肖像 (インゴ・メッツマッハー著、春秋社)」を読み終えました。ヴァイオリニストの成田達輝さんに頂いた本です。

酒井健治氏など、好きな現代作曲家はいますが、私は普段ほとんど現代音楽を聴きませんし、現代音楽についての知識もありません。そんな私にでも楽しく読める本でした。本書ではチャールズ・アイヴズ、グスタフ・マーラー、クロード・ドビュッシー、オリヴィエ・メシアン、アルノルト・シェーンベルク、エドガー・ヴァレーズ、カールハインツ・シュトックハウゼン、ルイージ・ノーノ、カール・アマデウス・ハルトマン、イーゴリ・ストラヴィンスキー、ジョン・ケージと、現代音楽を代表する作曲家達が扱われています。メッツマッハーのわかりやすい解説に、何人かの作曲家は実際に聴いてみたくなりました。現代音楽の入門書として最適の本だと思います。


エミール・ギレリス

By , 2014年2月28日 6:06 AM

エミール・ギレリス もうひとつのロシア・ピアニズム (グリゴーリー・ガルドン著、森松皓子訳、音楽之友社)」を読み終えました。翻訳者が知人の医師のお母様で、その医師の家に遊びに行った時にこの本を見つけたら、そのままくださったのです。翻訳には、その医師の意見も反映されているのだとか。

私はロシアのピアニストとして、スヴャトスラフ・リヒテルの CDはたまに聴きますが、ギレリスの演奏をこれまで聴くことがあまりありませんでした。しかし、この本を読み、これまでギレリスがいかに不当な評価を受けてきたか良くわかりました。

今は、Youtubeでギレリスの録音を色々とチェックしています。気に入った演奏の CDを買おうと思います。

いくつか動画へのリンクを貼っておきますが、演奏を聴いてギレリスに興味の湧いた方は、是非この本を読んでみてください。

・GILELS plays Chopin – Polonaise in A flat major ( As – Dur ) Op. 53

・Beethoven – Piano sonata nº21 in C major op_53 (Gilels)__480.flv

・Emil Gilels – Tchaikovsky – Piano Concerto No 1, Op 23 – Cluytens

・Gilels plays Brahms: Paganini Variations Book 1 (1/2)

・Gilels plays Brahms: Paganini Variations Book 1 (2/2)

・Beethoven / Gilels / Szell, 1968: Piano Concerto No. 4 in G major, Op. 58 – Complete

・Emil Gilels plays Stravinsky “Pétrouchka” (1/2)

・Emil Gilels plays Stravinsky “Pétrouchka” (2/2)

 


ピアニストの脳を科学する 超絶技巧のメカニズム

By , 2013年8月24日 6:46 PM

ピアニストの脳を科学する 超絶技巧のメカニズム (古屋晋一著、春秋社)」を読み終えました。

私は、演奏家がどうやって音楽を認識しているかや、音楽家の病気などに興味があり、たまに論文を読んでは過去にブログで紹介してきました。しかし、それらは断片的な知識の寄せ集めで、イマイチこの分野の研究の全体像が見えにくいところがありました。ところが、本書は最新の知見を織り交ぜつつ、体系的にこの分野を網羅して書かれています。きちんと文中に引用文献が示され、巻末には引用文献リストがついています。

一般に音楽認知のメカニズムに対するアプローチとしては、functional MRI, PET、脳波などが知られていますが、著者はこれらの方法を使った研究を広く解説しつつ、工学畑出身の人間であることを生かし、様々な機器を使ったアプローチを紹介しています。また、著者はピアノ演奏をされるそうで、ピアニストの視点がそこにはあります。私もヴァイオリン弾きとして、「あー、これは演奏する人間だったら実感できるな」なんて思いながら読みました。

内容は高度ですが、一般人向けに平易に書かれており、音楽好きの方に、今一番勧めたい本です。

(上記リンク先、アマゾンの書評も御覧ください)


MUSICOPHILIA

By , 2013年2月24日 10:19 AM

音楽嗜好症 (オリヴァー・サックス著、大田直子訳、早川書房)」を読み終えました。

オリヴァー・サックスの書いた本を読むのは初めてでしたが、彼は独特の研究スタイルを持っていると感じました。多くの科学者は、間違いないと確認されたことを足がかりに次のステップに進んでいきますが、彼の場合はとりあえず正確かどうかは二の次にして手に入る限りの情報を集めて、その中からエッセンスを抽出する方法を取っているようでした。そのため、所々「本当にそう言い切れるのかな?」と感じさせる部分はありましたが、独自の視点で音楽について論じることが出来ていました。

本書は、音楽に対して医学的にあらゆる角度からアプローチしています。症例が豊富ですし、論理を裏づけるために引用した科学論文も膨大な量です (末尾に文献集があります)。

特に印象に残ったのはパーキンソン病と音楽療法についてです。日本では林明人先生が「パーキンソン病に効く音楽療法CDブック」を出されていますが、L-Dopa登場前に既に行われていて、大きな効果を上げていたことは初めて知りました。

また「誘惑と無関心」と題された、失音楽に関する章でイザベル・ペレッツの名前を見た時は驚きました。メールのやり取りをしたことがある研究者だったからです。この業界では有名人なので、登場してもおかしくはないのですが。

それと、ウイリアムズ症候群の患者達がバンドを組んでデビューしている話も興味深かったです。Youtubeで動画が見られます。

The Williams Five

5足す 3が出来ないくらいの mental retardationがありながら、プロの音楽家として立派に活躍しているというのは、音楽がそういうことは別に存在していることを示しています。

このように興味深い話題が豊富なのですが、内容をすべては紹介できないので、代わりに目次を紹介しておきます。本書がどれだけ広範な角度から音楽にアプローチしているか、伝われば幸いです。

序章

第1部 音楽に憑かれて

第1章 青天の霹靂―突発性音楽嗜好症

第2章 妙に憶えがある感覚―音楽発作

第3章 音楽への恐怖―音楽誘発性癲癇

第4章 脳のなかの音楽―心象と想像

第5章 脳の虫、しつこい音楽、耳に残るメロディー

第6章 音楽幻聴

第2部 さまざまな音楽の才能

第7章 感覚と感性―さまざまな音楽の才能

第8章 ばらばらの世界―失音楽症と不調和

第9章 パパはソの音ではなをかむ―絶対音感

第10章 不完全な音感―蝸牛失音楽症

第11章 生きたステレオ装置―なぜ耳は二つあるのか

第12章 二〇〇〇曲のオペラ―音楽サヴァン症候群

第13章 聴覚の世界―音楽と視覚障害

第14章 鮮やかなグリーンの調―共感覚と音楽

第3部 記憶、行動、そして音楽

第15章 瞬間を生きる―音楽と記憶喪失

第16章 話すことと、歌うこと―失語症と音楽療法

第17章 偶然の祈り―運動障害と朗唱

第18章 団結―音楽とトゥレット症候群

第19章 拍子をとる―リズムと動き

第20章 運動メロディー―パーキンソン病と音楽療法

第21章 幻の指―片腕のピアニストの場合

第22章 小筋肉のアスリート―音楽家のジストニー

第4部 感情、アイデンティティ、そして音楽

第23章 目覚めと眠り―音楽の夢

第24章 誘惑と無関心

第25章 哀歌―音楽と狂喜と憂鬱

第26章 ハリー・Sの場合―音楽と感情

第27章 抑制不能―音楽と側頭葉

第28章 病的に音楽好きな人々―ウィリアムズ症候群

第29章 音楽とアイデンティティ―認知症と音楽療法

謝辞

訳者あとがき

参考文献


どうして弾けなくなるの? <音楽家のジストニア>の正しい知識のために

By , 2012年10月19日 8:15 AM

紹介が遅くなりましたが、9月中旬に「どうして弾けなくなるの? 音楽家の<ジストニア>の正しい知識のために (ジャウメ・ロセー・リョベー、シルビア・ファブレガス・イ・モラス編、平孝臣・堀内正浩監修、NPO法人ジストニア友の会)」を読み終えました。

ジストニアは運動障害の一種で、筋緊張の異常のため、異常姿勢をとったり、さまざまな運動のコントロールが困難になります。ある種の熟練者に見られる特殊なジストニアもあり、音楽家に生じるものを “musician’s dystonia” と呼びます。

音楽家のジストニアで最も有名な患者は、ロベルト・シューマンでしょう。過去にロベルト・シューマンの手に関する論文を少し紹介しました (シューマンの手<1>, <2>) が、その後、シューマンはジストニアであったという説が最も有力になっています。つまり、ロベルト・シューマンは、ジストニアのために演奏家を諦め、作曲家を目指したらしいのです。シューマン以外にも多くの演奏家がその道を諦めています。どのくらい多いかというと、音楽家のジストニアはプロの音楽家の 5%に見られ、その半数で音楽家の道を諦めなければいけない事実が、本書の序文に記されています。

音楽家のジストニアは、ヴァイオリニストやピアニスト、ギタリストの手に見られるだけではなく、声楽家の喉、管楽器奏者の口などにもみられます。こうしたジストニアの診療には、楽器演奏に対するある程度の知識がないと難しいようです。例えば、演奏家の手にジストニアが生じ、第 III指が屈曲した形になると、第 II指が伸展して第 III指の屈曲を代償しようとします。このとき、患指がどの指か見極めないといけません。そして、代償のため伸展した第 II指を患指と誤りボツリヌス治療をすると、第 III指の屈曲はますますひどいものになります。

また、”musician’s dystonia” は、診た瞬間診断が確定するわけではなく、ジストニアと紛らわしい他の疾患 (末梢神経障害など) の除外をしないといけません。ジストニアがある疾患に続発しておこる場合があるので、その基礎疾患 (神経変性疾患など) を見逃さないことも重要です。

これらの事を考えると、音楽家のジストニアの診療には、ある程度楽器の演奏に精通した神経内科医に求められる部分が大きい気がします。実は私の知り合いの先生が、こうした診療をしている医師を紹介してくれるとおっしゃってくださったので、折を見て勉強しに行こうか模索しています。音楽家のジストニアの専門的な治療が出来る医師は極めて少ないので、ヴァイオリンを弾く神経内科医として、少しでも力になれればと思います。

さて、音楽家の側から見て、演奏していて楽器を扱う部位に違和感を感じた時、それを克服するために無理をすると、ジストニアを発症ないし増悪させる可能性があります。一旦安静をとり、改善がないようなら、音楽家のジストニア診療に精通した医師の診断を受ける必要があると思います。音楽家生命に関わる疾患であり、適切な対処が求められる疾患でもあるので、もっと広くこの疾患の事が知られることを望みます。

[目次]
本書の必要性

第1章  音楽家のジストニアとは何か?
書痙と同じ疾患か?
音楽家のジストニアはいつ頃から知られていたか?

第2章  音楽家のジストニアとは
初期症状
もっとも特徴的な症状
どのような音楽家が発症するか?
どのような種類の楽器で発症するか?
発症しやすい身体部位はどこか?
症状が現れたときに音楽家はどのように対処したか?
感覚トリック
手のジストニアの特徴
楽器の種類による症状の特徴はあるか?
口唇(アンブシュア)ジストニアの特徴
声楽ジストニアの特徴
どのように進行するのか?
他の動作と副楽器演奏への症状の拡大
ジストニアの進行を防ぐことは可能か?

第3章  どのように診断するか?
病歴
診察所見
楽器演奏中の症状の評価
ジストニアの患指と代償指の診断
除外すべき疾患は?
その他の特発性ジストニアとの鑑別診断
偽性ジストニア
口唇ジストニアの鑑別診断における注意点
喉頭ジストニアの鑑別診断における注意点
どのような補足検査が必要か?

第4章  ジストニアの原因は何か?
精度の高い定型的反復動作、困難と動機づけ、基本的要素
なぜ一部の熟練した音楽家だけがジストニアになるのか?
発見された変化

第5章  ジストニアの心理学的側面
ジストニアの発症を促す心理学的要素は存在するか?
音楽家のジストニアへの対処法は?
ジストニアは心理的な問題を引き起こすか?
心理的な要因によりジストニアの回復が難しくなるか?
周囲の人々はジストニアを理解しているか?
ジストニアが回復すると、感情のバランスも安定するか?

第6章  予防対策

第7章  ジストニアの症状が出たときに何をすべきか?
ジストニアを改善させるための一般的な注意
内服薬
ボツリヌス毒素
神経リハビリテーション
興奮性の調整
外科手術

付録1 私のジストニア闘病記
マルコ・デ・ビアージ:ギタリスト
ジャンニ・ヴィエロ:オーボエ奏者
ジュリアーノ・ダイウト:ギタリスト
フランシスコ・サン・エメテリオ・サントス:ピアニスト

付録2 ジストニアをとりまく法律および労働に関する状況

あとがき
文献
一覧
索引


歌を忘れてカナリヤが

By , 2012年7月10日 6:59 AM

歌を忘れてカナリヤが (原口隆一・麗子著、文芸社)」を読み終えました。

著者の原口隆一氏は武蔵野音大の教員であり、声楽家としても活動を続けていました。ところが、 1993年 9月 24日に脳梗塞を発症しました。後遺症として失語症が強く残り、著者は地道にリハビリを続けました。実際の彼のノートの一部が印刷されているのですが、「お父さん=男→父→パパ」と書いてあります。さらにルビまで振ってあるのです。このレベルの単語が失われてからのリハビリだったので、大変な努力が必要だったのではないかと思います。

しかし、彼は歌手としての復帰を目指し、2000年にその夢を叶えました。その努力の奇跡が本に描かれています。

私は神経内科医として脳梗塞の患者さんを多く見ていますが、患者さんの思いというものが伝わってきて、非常に感動しました。

同じように脳梗塞の後遺症で苦しんでいる方、リハビリ関係の方、脳卒中診療に関わる方などに読んで欲しいと思いました。また、音楽家が内面を綴った文章ですので、音楽関係の方にも興味を持っていただけるのではないかと思います。

 

「唄を忘れたカナリヤ」(西條八十「砂金」より)

唄を忘れた金糸雀(かなりや)は
後の山に棄てましよか
いえいえ それはなりませぬ

唄を忘れた金糸雀は
背戸の小藪に埋(い)けましょか
いえいえ それはなりませぬ

唄を忘れた金糸雀は
柳の鞭でぶちましよか
いえいえ それはかわいそう

唄を忘れた金糸雀は
象牙(ぞうげ)の船に銀の櫂(かい)
月夜の海に浮べれば
忘れた唄をおもいだす

(参考)

第35回日本神経心理学会総会


モーツァルトを「造った」男 ケッヘルと同時代のウィーン

By , 2011年4月16日 9:55 AM

「モーツァルトを『造った』男 ケッヘルと同時代のウィーン (小宮正安著、講談社現代新書)」を読み終えました。モーツァルトを「造った」という表現がタイトルにありますが、モーツァルトが生きた時代にはモーツァルトよりハイドンの方が有名であり、モーツァルトは様々な政治的な要因があり、後世ウィーンの音楽の象徴となった訳です。もちろん音楽自体のすばらしさは言うまでもありませんが、ケッヘルがモーツァルトの楽譜を集め、散逸を防ぎ、ほとんどの作品を網羅した目録を作り上げていなければ、今日ここまでモーツァルトの楽曲は耳に出来なかったかもしれません。モーツァルトがいかにして今日の姿に造られたかは、是非本書を読んで頂ければと思います。

音楽の勉強をしていると、「時代背景を勉強しなさい」と言われますが、本書を読んでモーツァルトやケッヘルの置かれた時代の流れがとても勉強になりました。特にウィーン旅行を考えている方には、是非読んで頂きたい一冊です。

以下、備忘録。

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眼に効く眼の話

By , 2011年1月4日 8:05 AM

「歴史の中の「眼」を診る 眼に効く眼の話(安達惠美子著、小学館)」を読み終えました。

マイナー科(内科や外科以外の科は業界でそう呼ばれることがあります)の本ですと、「人の魂は皮膚にあるのか(小野友道著,主婦の友社)」なんていう本を紹介したことがありましたが、専門分野を離れて読む本はなかなか楽しいものです。

本書は一般人が読んでもわかりやすく書いてあります。特に個人的に興味を持った部分をいくつか紹介します。

・わが国に眼鏡が伝来したのは1549年で、かのフランシスコ・ザビエルが周防の大名の大内義隆に送った老眼鏡と言われている。

・徳川家康の眼鏡の度や寸法を実測して、「日本眼科学会雑誌」を創刊した大西克知氏が報告した。レンズの度は大きい眼鏡が 1.5 D, 小さい眼鏡が 2.0Dの凸レンズであった。両方とも老眼鏡と思われる。

・キュリー夫人は放射線を浴びて白内障になって、4度も手術を受けた。治療はモラックス博士とプチ博士が行ったが、モラックス博士は眼科のクロード・モネの白内障の診断もしている。

・ドン・ペリニョンは盲目の修道僧であった。ローマ時代に忘れられていたコルク栓を復活させたことで、シャンパンの二次発酵を可能にし、天然の発泡酒という銘酒を生み出した。

・ホルス神は古代エジプトの天空神で、頭が鷹、体が人、右眼が太陽、左眼が月を表している。ホルスが眼病で見えなくなったところをトート神に癒され治癒した伝承がある。ホルスは眼の守護神とされている。ホルスの眼の形はアルファベットのRと似ており、薬の処方のときに使われる Recipe (Rp) の語源につながっている。

・メリメ作カルメンの主人公は斜視だった。しかし、ビゼーのオペラでは触れられていない。

・ジェームス・ジョイスは緑内障のような症状で、計11回も手術を受けた。一説によると、かの有名なアルフレッド・フォークトを頼っている。

・クロード・モネは白内障を患っていた。晩年の色遣いに白内障の影響が表れている。フランスの首相クレマンソーの勧めで右眼の手術を受けると、黄色っぽく見えていた風景が青色っぽく見え、片眼ずつの異なった見え方を「バラ園からみた家」に表現した。

・バッハの失明原因について。手術をしているので、白内障の可能性がある。また、糖尿病ではないかと推測されていて、網膜症の可能性もある。更に脳卒中で亡くなったことを考えると、基礎疾患に高血圧があって、高血圧眼底だった可能性もある。

・フロイトは、彼女の愛を得るために研究に励んでいた。そしてコカインにモルヒネ中毒の禁断症状を止める作用があることを発見した。しかし、同年、同じ病院のコラーがコカインの鎮痛作用に注目して白内障手術に用いた。フロイトはコカインの麻酔作用に気付かなかったことに意気消沈し、精神病理学者としての研究を積むことにした。

・第九の歌詞で有名なシラーには「ヴィルヘルム・テル」という代表作がある。その中に「眼の光」の尊さをうたった一節があり、この句がアルブレヒト・フォン・グレーフェの記念碑に刻まれている。

・検眼鏡を開発したのは、ドイツの生理学者、物理学者のヘルムホルツである。ヘルムホルツは、以前紹介したヘルツの師。


ブラームスと女性達

By , 2010年12月24日 5:59 AM

12月11日のブログで、映画「愛の調べ」の感想として、「実際にロベルト・シューマン、クララ・シューマン、ブラームスの間に三角関係はあったのか?その根拠は何なのか?」と書きました。手許にある本にいくつかその根拠が載っていたので順次紹介していきます。実はシューマンの英語の伝記も数冊持っているのですが、今回は読む暇がなかったので、また今度 (その機会は来ないかもしれませんが・・・(^^; )。

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科学者と芸術家

By , 2010年11月13日 11:13 AM

以前読んだ「物理学者の心」が面白かったので、寺田寅彦の他の随筆も読んでみました。

科学者と芸術家

短い随筆なので上記リンクを実際に読んで頂くのが早いのですが、科学と芸術の相違点に触れつつ共通する根幹部分を述べています。特に感銘を受けたのが下記の部分でした。

 長い間考えていてどうしても解釈のつかなかった問題が、偶然の機会にほとんど電光のように一時にくまなくその究極を示顕する。その光で一度目標を認めた後には、ただそれがだれにでも認め得られるような論理的あるいは実験的の径路を開墾するまでである。もっとも中には直感的に認めた結果が誤謬である場合もしばしばあるが、とにかくこれらの場合における科学者の心の作用は芸術家が神来の感興を得た時のと共通な点が少なくないであろう。



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