2009年ドイツ旅行8

By , 2009年9月19日 7:48 AM

9月6日(日) ~その2~

タクシーで山中を走る間、酔いも手伝って、最高に多幸的な気分になった。山の中に開けた牧場の合間を颯爽と走り抜ける。牧場に放たれた牛、馬、羊。詩の一つでも浮かびそうなものだ。タクシーは山を 3つばかり越え、ミッテンバルトに着いた。おそらく 10 kmくらいあっただろう。歩こうと無謀な決心をしなくて良かったと思った。途中で分かれ道もあったことだし、ドイツの山奥で迷子というシャレにならない事態だってあったかもしれない。

ミッテンバルトでは、楽器博物館に入った。ミッテンバルトはヴァイオリン製作の街として有名だが、創始者のマティアス・クロツから始まる一族の楽器と、製作に使う道具などが展示されていた。規模はクレモナの楽器博物館に及ぶべくもないが、こぢんまりとした良い博物館だった。

山々を眺めた後、ミッテンバルト駅に行き、時刻表をチェックした。ミュンヘン行きは、1時間くらい待つことになりそうだ。しかも、来たときのことを考えると、必ずこの駅にとまるとはどうして言えようか?私しかホームにいない現状では、停まらない可能性も十分考えられる。

どうやってミュンヘンに戻るか考えていると、近くにいたおばさんが話しかけてきた。「どこに行くの?」と言われたので、「ミュンヘン」と答えると、発音が悪く通じなかったようだ。ミュンヘンからの往復の切符を見せると、「これ以上払わなくて良いわよ」といって、「付いてらっしゃい」と言われた。付いていくと、バス乗り場で、「このバスで Garmisch駅に行くように」と言われた。何のことはない。電車が停まらない代わりに、タダで Garmischとミッテンバルトをバスが往復しているのだ。

バスの中では、イタリア人夫婦 (?) が喧嘩をしていて、ドイツ人女性が「静かに!」と注意する光景が見られた。人伝に、「新婚旅行は長いと喧嘩が多くなるから、あまり長くない方が良いわよ」と言われたのを思い出した。男女が長いこと旅で過ごすのは危険だという典型だ。まぁ、私は当分そんな心配はしなくて良いようだが。

Garmischでは電車が出発する 30分前に乗り込んだおかげで、余裕を持って座ることが出来たが、徐々に電車が混み合った。窓から外を見ると、ミュンヘンに向かう道路も渋滞していた。日曜日でもあるし、ミュンヘンから山に遊びに出掛けた人たちが帰る途中なのかと推測した。電車は尚混み合い、若者達が次々と老人に席を譲っていて、それに倣った。

ミュンヘンについてから、夕食を食べに街にくりだした。ところが、日曜日のためか、前日あれほど賑やかだった大通りは閑散とし、多くのビアハウスも閉まっていた。そこで、ふと目に付いたアウグスティナー (Augustiner) に入り、ビールとグラーシュスープ、牛肉 (タン?) の煮込みを注文した。あまり美味しいとは言えなかったけれど、腹は満たせた。

ホテルに戻る途中に、例の怪しい通りを通ったが、「World sex」「Sex shop」「Erotic shop」と書かれた看板や、裸の女性の看板が立つピンクネオンの「Candy bar」などが私を誘ったが、公序良俗に反することをしない主義の善良な日本人は、横目で眺めるに留めるにして、ホテルに戻った。

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