明けましておめでとうございます。
実現率の低さには定評がある、恒例の新年の抱負です。まずは現在行なっている研究が形になるように頑張りたいです。臨床では、自分の弱い分野を埋めることが出来るように精進します。また、ヴァイオリンは 1年に数回しか触らなくなってしまったので、何か定期的に触る機会を作りたいです。乗馬は駈歩の練習をしていて、駈歩の合間に「脚」がうまく使えることを目標にします。
ブログに書くと達成されないジンクスを逆手に取って、昨年のブログでは「結婚については今年は書かずにおきます (^^;」としたものですが、やはり結婚については兆しすら見えませんでした。ということで、結婚できるように、今年は「結婚しない」という目標を立てておきます (^^;
年末年始の予定です。クリスマスイブに引き続き、年始から日当直と、イベントを悉く当直で祝うみぐのすけです。
12月31日 (月) 実験, 妹の夫の実家で飲み会
1月1日 (火) 日当直
1月2日 (水) 帰省
1月3日 (木) 大山乗馬センターで乗馬, 地元の友人と飲み会
1月4日 (金) 帰京, 実験 (培養細胞の世話など)
1月5日 (土) 秋田で当直
1月6日 (日) 妹夫婦と旅行 (南三陸 観洋泊)
1月7日 (月) 帰京, 実験 (培養細胞の世話など)
1月8日 (火) 病棟業務開始
1月6日は温泉に浸かって、被災地の酒蔵をいくつか回るとともに、自分がボランティアで行った地域がどうなっているか見てきたいと思います。
それでは皆様良いお年を。
2012年12月30日は、世田谷一家四人殺害事件から丁度 12年目にあたります。
先日、成城警察署から私に電話がかかってきてビックリしました。叩けば埃のでる体なので、「どの出来事だろう?」と思いながら、聞かれてもいない犯罪をベラベラ喋りそうになり、「医師逮捕」の見出しの新聞記事を思い浮かべた頃、捜査員が「世田谷一家四人殺害事件について聞きたい」と言ってきました。12年前の 12月 30日のアリバイなんて覚えていません。ブログ記事があれば思い出す手がかりにはなりますが・・・。ひょっとして犯人として疑われているのかしら???
ところが真相は違いました。私の学会発表を聞いた聴衆が、「ひょっとして犯罪捜査に使えるのではないか?」といって匿名で警察に電話してきたらしいのです。そこで学会発表の内容を教えて欲しいとのことでした。
12月21日に、捜査員 2名に疾患についてと遺伝学の基本について 1時間ほど講義しました。無償で講義したお礼に、捜査員は私が女性にハレンチなことをして逮捕されるときに見逃すことを約束してくれました。
講義を終えた後、犯人の血液が残されていることを知り、全塩基配列を読んでみてはどうかと提案しました。サンプルには限りがあるので、デジタルデータを持っていた方が、あとから解析しやすいと思ったのです (科学技術のここ数年の劇的な進歩で、2013年には 10万円以下で、15分以内に解析できると言われています)。ところが、法的な問題が色々あるらしいです。
こうした凶悪事件について、「国会議員の 2/3以上の賛同が得られた事件についてのみ、遺伝子情報を自由に解析して捜査に用いることが出来る」とか法改正できないものかと思いました。
被害者のご冥福をお祈りすると共に、一刻も早く犯人が捕まることを願っています。
少し古い話になりますが、2012年8月にアルテプラーゼによる血栓溶解療法 (rt-PA) の保険適応が変更になりました。それまで発症 3時間以内のみ保険適応であった治療が、発症 4.5時間以内まで保険適応となったのです。
また、2012年 10月には、”rt-PA(アルテプラーゼ)静注療法 適正治療指針 第二版” が公開され、rt-PAが発症 4.5時間後まで行える旨が記載されました。意外と知らない人が多かったので、下にガイドラインのリンクを貼っておきます。
もちろんリスクのある治療だし、治療してもよくならない患者さんも多いけれど、神経内科にコンサルト頂くときの参考にして頂きたいと思います。
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(参考)
ついにぬくもりのある生活を取り戻しました。エアコンが直ったのです。これで明日、明後日の実験も、気合が入るというものです。
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(参考)
眠れない熱帯夜
発熱
エアコン
12月25日は医局の抄読会でした。24日の当直の合間に配布資料を作っていたところ、22時頃少し席を離した隙に作業中のファイルが全部消えるというアクシデントに見まわれ、そこから徹夜で仕上げました。Windows7、勝手に OSをアップデートして再起動するの、やめて欲しいです。
さて、読んだのは多発性硬化症について、2012年11月27日に Nature communicationsに掲載された論文です。
Cx3cr1 GFP/+マウス (ケモカイン Cx3cr1は非免疫細胞ではミクログリアなどに発現しており、種々の免疫細胞を誘導する) に実験的自己免疫性脳脊髄炎 (EAE) を誘導して、2量子顕微鏡で観察しました。その結果、「血液脳関門の破綻→血管周囲にフィブリンが検出される→ミクログリアに Cx3cr1陽性の cluster形成がみられる→臨床症状の出現がみられる」ことがわかりました。つまり、症状が出来る前からミクログリアには変化があるということです。そして、初期にフィブリンが検出されるのは、多発性硬化症の病理所見に合致します。興味深いのは、局所にフィブリノゲンを注射すると Cx3cr1の cluster形成や軸索損傷が誘導できるのに対して、CD11/CD18結合 motifに変異を入れたフィブリノゲンを注射するとこれらが起こらないことです。また抗凝固薬 Hirudinを投与してフィブリン形成を阻害しても、これらの Cx3cr1の cluster形成や軸索損傷は抑制できます。多発性硬化症での炎症に対して、フィブリンは何か大事な役割を担っているのかもしれませんね。
動物実験レベルでの話なのでまだ何とも言えませんが、多発性硬化症に対して、抗凝固薬や CD11b/CD18に対する分子標的治療薬などが用いられる時代は来るのでしょうか?
12月21日に第 2回 Journal clubを開催しました。
ぶぶのすけ先生は、多発性硬化症についての論文を読んできました。
2つの独立した population based, case-control studyを元に調べた。20歳以下でシフトワークすることは、多発性硬化症に罹患するリスクとなる。原因としては、日内リズムの障害や睡眠制限がメラトニン分泌の障害と関係しており、炎症反応をもたらすためかもしれない。
シフトワークというのは、日勤とか夜勤を交互に繰り返す勤務形態ですが、日内リズムが障害されやすく、様々な疾患リスクを高めることが報告されています。この論文は、疫学から迫った研究のようですが、メラトニン分泌の障害が何故多発性硬化症を起こしやすくするのかなど、いまいち釈然としませんでした。また、20歳以下でシフトワーカーになるということは、経済的に貧しい人が多いのではないかと推測され、そのバイアスはどうなのだろうと感じました。
次に、兄やん先生は、ラクナ梗塞に対する抗血小板薬についての論文を読んできました。
この論文の内容については、別のブログで紹介されていたので、そちらへのリンクを貼っておきます。
ラクナ梗塞の発症メカニズムを考えると、アスピリンとクロピドグレルを併用してもあまり効かないことは想像できるし、ラクナ梗塞では micro bleedsの頻度が多いことから、ある程度頭蓋内出血が増えることも想像できます。消化管出血は言わずもがなです。
私は、Hoehnと Yahrが書いた論文を読んできました。1967年の古い論文です。Parkinson病の “Hoehn & Yahr分類” というと分かる人が多いかもしれません。
内容については、Power Pointに纏めたので下に貼っておきます (※二次使用の際は、miguchi@miguchi.netまで御一報ください)。Parkinson病の中に進行性核上性麻痺や多系統萎縮症などが含まれていることが推測されたり、色々割り引いて評価しないといけない部分はありますが、疾患の特徴をかなり詳細に評価しており、参考になります。単なる重症度分類として意味があるだけではありません。
夏から闘病中の私のエアコン。全然機能しなくなり、最近ではあまりの寒さに耳が痛くて朝目が覚めます。本日、電気会社の方が往診にいらっしゃいました。
「この 4回点滅して止まるのは、コンプレッサーの障害ですね。空気を圧縮して送り出す心臓部分だから、取り替えないとダメですよ」とのことでした。
応急処置をしてくださって、少し暖かい空気が出るようになりましたが、いずれ大掛かりな手術が必要なようです。そして、日程的には年明けになるかもしれません。
修理が終わるまで避難出来るような、エアコンの効いた女性の部屋を募集中ですm(_ _)m
コンピューター将棋と人間が激突する、第二回電王戦の組み合わせが決定しました。
第1局(3/23):阿部光瑠 四段vs習甦(しゅうそ)(開発:竹内章/第22回世界コンピュータ将棋選手権5位)
第2局(3/30):佐藤慎一 四段vsponanza開発:山本一成/第22回世界コンピュータ将棋選手権4位)
第3局(4/6):船江恒平 五段vs ツツカナ開発:一丸貴則/第22回世界コンピュータ将棋選手権3位)
第4局(4/13):塚田泰明 九段vsPuella α開発:伊藤英紀/第22回世界コンピュータ将棋選手権2位)
第5局(4/20):三浦弘行 八段vs GPS将棋開発:田中哲朗・森脇大悟/第22回世界コンピュータ将棋選手権1位)
第一回電王戦は前将棋連盟会長の米長邦雄氏がコンピューター相手に惨敗でした。今回のプロ棋士は全員現役です。公式戦で男性プロ棋士がコンピューター将棋に負けたことはありませんが、今回は流石に分が悪そうです。私はプロ棋士から見て 1勝4敗か 0勝5敗と予想しています。
確かに、プロ棋士によるタイトル戦をソフトで解析していると、コンピューター将棋はたまに簡単な一手を見落としていたりします。数十手先まで読んでいる筈なのに、終盤にその一手で負けになるという手が見えていないのです。しかしそれは年に数局で、例外的です。
私がコンピューター将棋の強さをまざまざと知ったのは、コンピューター将棋同士が対戦した、この動画です。ある程度将棋を知ると、凄さがわかると思います。
・【コンピュータ】激指 vs. ツツカナ【将棋】
さて、12月14日発売の激指12が届きました。軽く遊んでみましたが、強いこと、強いこと。圧倒的に優勢な局面から遊べるモードがあるのですが、あっという間に逆転されます。これでトレーニングすれば、相当強くなりそうです。しかし、その前に惨めな負け方を繰り返して、嫌気が差して触らなくなるかも・・・。