Category: 音楽

神童

By , 2009年1月19日 6:57 AM

神童」という映画のDVDを観ました。

あらすじは、天才音楽少女と、落ちこぼれ音大受験生の話。

全体を通してちょっと消化不良でした。

内面の描写が今ひとつだったように思います。例えば、もう少し、主人公に陰があっても良かったと思うし、葛藤を表現しても良かったような気がします。これまで見た「シャイン」「4分間のピアニスト」「シャコンヌ」「不滅の恋」「ピアニスト」「戦場のピアニスト」など、音楽をテーマにした映画の多くではそうした点がきちんと描かれていますしね。

それと、モーツァルトの協奏曲では、オケ団員の演奏の仕方が視覚的にわざとらしい感じがしました。オケ団員は演奏経験者ないしプロの演奏家を使用している点で好感が持てましたが、映画ということを意識しすぎていたように思います。音楽で表現出来ていれば良いと思うのですが。

演奏は悪くないので、その点は楽しめると思います。

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4分間のピアニスト

By , 2009年1月17日 12:04 PM

映画「4分間のピアニスト」のDVDを見ました。

 あらすじ~DVDのジャケットから~

心をわしずかみにする圧倒的な演技とクラシックの概念を打ち破る衝撃の演奏

生きる希望を砕かれた天才ピアニストが、自分の才能を信じてくれる女性教師との出会いを通して、再び人生の輝きを見出すまでを描いた感動作。主人公ジェニーと、ピアノ教師クリューガーの迫真に迫る演技は、世界各国で絶賛され、数々の賞を受賞。また、モーツァルト、ベートーヴェンなど、クラシックの名曲はもちろんのこと、ジャズやロックなど他のジャンルのテイストを大胆にアレンジしたピアノ曲も堪能できる。主人公が織り成す、ラスト4分間の壮絶な演奏は必見!観る者の心を激しく揺さぶる。

類まれな才能を持ちながらも、人生は過ちばかり 自由をつかむために、彼女に残された演奏時間は、たったの4分間だった-。

ピアノ教師として刑務所にやってきたクリューガーは、問題児とされている少女・ジェニーの類まれなるピアノの才能を見抜き、それを開花させることこそが、残り少ない自分の人生の使命だと考え、所長を説得して特別レッスンをはじめる。その日から、全く違う世界に生きていた2つの魂のぶつかり合いが始まった。

全てのものに牙をむき、自らを傷つけようとするジェニーだったが、自分と同じ孤独を抱えるクリューガーの情熱にいつしか心を開いていく。しかし、新たな悲劇が2人を襲うのであった・・・。

ピアノ教師クリューガーの演技が凄まじかったです。地味で厳格なピアノ教師なのですが、一挙手一投足が洗練されていて、抑制された話し方が役柄を際だたせていました。

映画のシチュエーションが実際にあるかどうかは別として、クリューガー役の演技のおかげで、現実感が生み出されました。クリューガーの演技だけで、必見の映画ですね。

クライマックスで、おそらく精神的なトラウマのメタファーであるシューマンの曲を前衛的に演奏するのですが、主人公は幸せになれませんでした。これは過去のトラウマに囚われ、壊しても、また不幸が待っている、むしろ壊すことも新しい不幸と連鎖しているという、悲しいメッセージなのかもしれません。一方で、全く別の受け取り方をするのなら、シューマンの曲を全うに演奏できなかったことが、自分の過去と向き合えず、トラウマを乗り越えられなかったことを意味しているのだとも受け取れます。色々考えさせられます。

落ち着いて色々と考えながら映画をみたい人には、お勧めかもしれません。

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クリスマスオラトリオ

By , 2008年12月25日 5:19 AM

昨日は、一人でDVDを見ながら、ワインを飲んでいました。DVDは、バッハの「クリスマスオラトリオ」で、クラクフ・バッハ・アカデミー ’90管弦楽団、クラクフ・バッハ・アカデミー ’90合唱団ゲヒンゲン聖歌隊、ヘルムート・リリング指揮による演奏でした。録音場所はクラクフの聖母マリア聖堂。クラクフには先日行ったばかりで懐かしく思いました。

クリスマス・オラトリオは、典型的なバッハの宗教音楽です。私は、バッハのこの手の曲が全部同じに聞こえてしまうので、「マタイ受難曲」の一節だよと言われたら、全然わかりません。スタイル、作り方が同じなので当然かも知れませんけれども。しかし、アリア「わが心よ、この聖なる奇蹟を」には心を動かされました。

・Schließe, mein Herze, dies selige Wunder(わが心よ、この聖なる奇蹟を)

その後、ギドン・クレーメルがバッハの無伴奏パルティータを演奏するDVDを見ました。かなりアクが強くて好みが分かれる演奏です。最初に聴くのにはお勧めしませんが、色々な演奏家の録音を聴いた後だと新鮮味があるかもしれません。「教科書的」演奏は対極にあって、他人の真似ごとではなく、純粋に楽譜から彼が感じたまま演奏されたんだなと感じさせます。

ところで、このクリスマスというイベント。エクストリーム・クリスマスなんていう競技もあるのを初めて知りました(^^;

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Bachの顔

By , 2008年12月23日 9:11 AM

「脳と音楽(岩田誠著、メディカルレビュー社)」という本に、ウィルヘルム・ヒスが書いた「バッハの墓所の発掘調査」という報告書の日本語訳が収載されています。その報告書には、バッハの頭蓋骨の詳細などが書かれています。著者のウィルヘルム・ヒスは、心臓のヒス束を見つけた医師の父親で、親子で同じ名前なので、ウィルヘルム・ヒス(父)と記載されることが多いようです。

さて、少し古い記事なのですが、産経新聞にバッハの顔復元との記事がありました。最近復元されたバッハの顔は・・・。

「本物」のバッハの顔再現 独で公開 法医学技術を駆使

2008.2.29 09:19

ドイツの音楽家ヨハン・セバスチャン・バッハ(1685-1750)の「本当の顔」を最新の法医学技術を利用して再現する作業が終了し、3月21日からドイツ・アイゼナハの博物館「バッハの家」で樹脂像が公開されることになった。博物館関係者が28日までに明らかにした。

遺骨をもとにした初の胸像が1894年に作られた後、この胸像をもとに1908年にライプチヒのトーマス教会前に全身像が完成、これがバッハの姿だと思われてきた。しかし、同博物館はこれらの像の顔が以前からあった肖像画に大きく影響されたとみて、所蔵するバッハの頭蓋(ずがい)骨の複製から科学的に頭部を再現することにした。

エジプトのラムセス2世の顔を復元したことで知られる英ダンディー大学の学者らが犯罪捜査に使われる法医学の手法を駆使して完成させた。だが、「本物」の顔も肖像画や像と似ているようにも見える。

3月21日はバッハの誕生日で、今年は全身像完成から100年となる。(共同)

元記事に当たって頂ければ、写真が見られますが、お世辞にもイケメンとは・・・。

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ワルター

By , 2008年12月20日 12:53 PM

私はオケ曲はあまり聴かないので、指揮者については当然語るほどの知識を持ち合わせていません。

しかし、先日「はりやこいしかわ」先生からワルター指揮、ブラームス交響曲第4番のCDを頂いて何度も聴いたところ、素晴らしかったです。

ワルターの演奏には侵しがたい崇高さがあるように思います。であって、聴き手の感情を揺さぶるような情熱があります。

産経新聞で「音楽の政治学」という連載が続いているようで、偶然ワルターが取り上げられているのを見つけました。

【音楽の政治学】ユダヤ人の魂をかけた指揮 ブルーノ・ワルター物語

2008.12.20 12:14

 

狂信的なナチスの政策により、1933~39年にドイツとオーストリアを追われたユダヤ人の音楽家は、1500人に上ったという。20世紀を代表する指揮者、ブルーノ・ワルターもその1人だ。米国に逃げおおせたとはいえ、その人生は苦渋に満ちたものだった。
ワルターが独ライプチヒの指揮者の座を追われたのは、ヒトラーが台頭した33年。自著「主題と変奏」は当時の無念をこう伝える。
「私は団員らに別れを告げた。メンデルスゾーンの像が、かくも長きにわたって立つ気高い建物を振り返ると、身を引き裂かれるような気持ちを抑え切れなかった」
失意のワルターを温かく迎えたのは隣国オーストリアだった。36年春、マーラーの交響曲第8番を演奏すると、聴衆は万雷の拍手を浴びせた。ワルターも言葉で感謝の意を表すという前代未聞の演奏会となった。
「私への賛辞は、優しさを超えて、私の敵や文化の敵に対する熱狂的な抗議となった。聴衆は私の中に文化の陵辱を見たのである」
ただ、ウィーンでのオペラの演奏中、親ナチス派に劇場に爆弾を投げ込まれたこともあった。演奏中止は、ナチスの勝利を意味する。断固演奏を続けた。
彼の親友は、ユダヤ人音楽家を取り巻く窮状を英紙上で世界に訴えたという。
「ドレフュス事件ともいえる惨状の中で、“ゾラ”はどこにいるのか? 非人道的な行為に対し、魂の底から血を吐くような叫びがどこであげられているのか」と。
38年のナチスのオーストリア併合の直前、シュシュニック首相がヒトラーに威嚇され、屈辱を味わっていたころ、ワルターはマーラーの交響曲第9番を演奏する。ユダヤ人作曲家マーラーの曲の演奏は、ナチスへの重大な挑戦でもあった。
当時のライブ録音は、会場のただならぬ雰囲気を今に伝える。演奏はわずか69分。通常なら80分前後だ。異常に早いテンポは、危機迫るワルターの焦燥感をも浮かび上がらせている。
ナチスは実際、間もなくウィーンに侵攻し、ワルターの全財産を没収し、競売にかけた。命からがらフランス、米国に逃げたワルターにとり、この演奏はウィーンへの告別の曲ともいえた。
戦後の50年代、米国で撮影された貴重なインタビュー映像が今も残る。気丈な表情とはいえ、その語り口からは、ナチスに追われ続けた者の断末魔の叫びが聞こえてきてならないのだ。(ベルリン 黒沢潤)

 
昔の演奏家の伝記を読むと、砲弾の飛び込む中で演奏を続けたという記述に会うことが時々あります。凄まじい信念を持って演奏していたのだなぁと関心しきりです。

年末ウィーンに行きますが、ワルターのCDをiPODに入れて、街を歩きながら感慨に浸りたいと思います。マーラーも探して聴いてみたいです。

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無伴奏ヴァイオリンのためのソナタ

By , 2008年11月29日 12:17 PM

バッハの無伴奏ヴァイオリンのためソナタ・パルティータはヴァイオリン音楽の旧約聖書とも呼ばれます。ヴァイオリンで多声音楽を演奏するテクニック的な難しさもありながら、和声と対位法を突き詰めて作られた楽曲を読み解いて演奏しなければいけない音楽的な難しさを内包しています。無伴奏ヴァイオリンのためのソナタ・パルティータはチェロ組曲と違って、自筆譜が見つかっていますので、原典を無視出来ない点で、演奏上の制約は逆に多くなります (自筆譜のファクシミリは、ガラミアン版の最後についていて、簡単に手に入ります)。

この曲はある一定水準以上のヴァイオリニストは必ず練習するものの、若いうちは録音を避けることが多いように思います。演奏家として成熟してから、つまり音楽を深く理解してから取り組むものと考えられているからです。

無伴奏ヴァイオリンのためのソナタ第 1番の第 1・2楽章の演奏を Youtubeからいくつか紹介します。

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日本音楽コンクール

By , 2008年11月5日 7:22 AM

妹からメール。妹と同門でお互いにレッスンを聴きあう仲のヴァイオリニストが、日本音楽コンクールで二位に入賞したそうです。

バイオリン部門 瀧村さん、1位

第77回日本音楽コンクール(毎日新聞社、NHK共催、特別協賛・三井物産)本選シリーズ5日目の25日は、東京オペラシティでバイオリン部門の本選が行われ、端正な様式観を基に格調高くうたいあげた瀧村依里さん(22)=東京芸大4年=が第1位に選ばれた。118人の応募から3度の予選を通過した4人がブラームスの協奏曲を競演し、海野義雄、小林美恵ら11氏が審査した。

他の入賞・入選者は次の通り。(敬称略)

▽第2位 石上真由子(17)=京都・同志社高2年▽第3位 寺内詩織(18)=桐朋学園大1年▽入選 前田奈緒(20)=東京芸大2年▽岩谷賞(聴衆賞)石上真由子

写メも送ってくれたので可愛いじゃんと思って、ネットで記事をチェックすると17歳。さすがに手が出せません(^^;

何年後かには、どこかの演奏会でみかけることになるのでしょうか?

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F. A. E.のソナタ

By , 2008年9月26日 12:10 AM

 

F. A. E.のソナタ」を聴いて、良い曲だなと思い、楽譜を買ってきて練習しています。この曲は、ディートリヒ、シューマン、ブラームスがヨアヒムのために作曲しました。

音名として、「F」は「ファ」、「A」は「ラ」、「E」は「ミ」ですね。曲の主題がこの三つの音になっているのですが、さて、FAEとは何のことなんでしょうか?

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Gustavo Dudamel

By , 2008年9月13日 12:12 PM

Gustavo Dudamelの CDを聴きました。

・「Beethoven 5 & 7」Simon Boliva Youth Orchestra of Venezuela, Gustavo Dudamel
・「Mahler 5」Simon Boliva Youth Orchestra of Venezuela, Gustavo Dudamel

実際に聞いてみて、ベルリンで聴いた時の方が良かったなぁ・・・と思ったのですが、一つはオーケストラの技量、もう一つはベルリンで聴いた方が生演奏だったという違いがあり、一概に比較はできません。

印象的なのは、テンポが良く動くことです。テンポが良く動くというか、動きすぎる印象もあって、結構気になります。でも、我々が従来の演奏に耳が慣れすぎているせいかもしれません。逆に、将来はこういった演奏が珍しくなくなっている可能性もあるわけです。後は、凄く情熱的な演奏ですね。ベネズエラという国のイメージと一致する気がします。クラシック音楽とは言っても、国によって多少特徴が出ますね。

さて、「シモン・ボリバル・ユース・オーケストラ」というオーケストラは聞き慣れない名前です。彼がこのオーケストラを大事にしているのは、彼自身の出自及びベネズエラで行っている活動と無縁ではないでしょう。このオーケストラは全員 25歳までで構成されると聞きます。オーケストラの結成の経緯が CD “「Mahler 5」Simon Boliva Youth Orchestra of Venezuela, Gustavo Dudamel” のライナーノーツにありました。

 広く知られているようにベネズエラ (小さなヴェネツィアというのが国名の語源とされる) はカリブ海を臨む共和国であり、豊富な石油資源によりラテン・アメリカ諸国では個人所得が最高位にランクされるほど恵まれた国家である。人口は約 2600万人とされるが、ご多聞にもれず貧富の差は大きく、青少年が麻薬、暴力など犯罪行為に巻き込まれる例も多いという。そんな時に青少年救済、社会政策として音楽を積極的に活用しようと設けられたのが Fesojiv (The Foundation del Estado para el Sistema de Orquesta Juvenil e Infantil de Venezuela) という財団である (SISTEMAの呼称でも親しまれている)。

既に30年近くの歴史をもつこの財団の前身は、ホセ・アントニオ・アブレウというひとりの経済人で音楽家でもあり、また政治家でもある人物が生み出したものであった。アブレウは子供たちを犯罪から守り、彼らに輝かしい未来を与えるため、また社会全体が音楽の力により平和で豊かな潤いの心をもつ環境へと変わるようにとの願いをこめてこの音楽組織を発足させている。

最初の頃、地下駐車場での練習に集まった子供たちはわずか12名だったというが、信念を支えとするアブレウは「ここから新しい歴史が始まる」と皆を説得したという。名状しがたい魅力と求心力があったのであろう。次のリハーサルには 25人、その次には 46人と増加、この活動はたちまち軌道に乗っているし、石油による好景気の波を受けて政府からの援助も受けるようになり、この活動はまもなくベネズエラの文化行政、いや社会施策としての成果を挙げ始めたのである。

(中略)

一見、底辺の底上げといった感もないではないが、この底辺が充実してくることで、その豊かな土壌からドゥダメルのような指揮者が育ち、また17歳でベルリン・フィルにコントラバス奏者として入団したエディクソン・ルイスといった逸材が生まれてきたのであり、ある意味でベネズエラの奇跡には必然性があったのである。

(中略)

こうした土壌のもとに生まれた最高の実りがドゥダメルであり、シモン・ボリバル・ユース・オーケストラ・オブ・ベネズエラということになる。

Gustavo Dudamel THE BEST!!!!

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チョン・ミュンフン

By , 2008年9月7日 10:56 PM

昨日、コンサートに招待されて行ってきました。

FILARMONICA DELLA SCALLA
MYUNG-WHUN CHUNG JAPAN 2008

2008年9月6日(土) サントリーホール

ロッシーニ:歌劇「アルジェのイタリア女」序曲
ロッシーニ:歌劇「ウィリアム・テル」序曲
プッチーニ:歌劇「マノン・レスコー」より第3幕への間奏曲
ヴェルディ:歌劇「運命の力」序曲
チャイコフスキー:交響曲第4番 ヘ短調 作品36

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