Joint hypermobility
音楽家にとって、関節が軟らかいことはメリットなのでしょうか?単純に考えれば、指は開きそうだし、良いことずくめな感じがします。
世界最高峰の医学雑誌の一つ、New England Journal of Medicineに気になる記事が載っていました。発表したのはロチェスター医科大学らのグループです。
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音楽家にとって、関節が軟らかいことはメリットなのでしょうか?単純に考えれば、指は開きそうだし、良いことずくめな感じがします。
世界最高峰の医学雑誌の一つ、New England Journal of Medicineに気になる記事が載っていました。発表したのはロチェスター医科大学らのグループです。
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12月15日に発売されるカラヤンの復刻版 CD。ガラス製 CDなのだそうです。早速注文しました。
価格は 20万円と高額で、今年最後の大きな買い物になりそうです。ヨーロッパへの飛行機代くらいにはなりますね。1枚で 20万円という CDは聞いたことはありません。入手困難な CDを 1万円くらいで購入したことは何度かありますが。
今年は、第九を聴きに行く予定がないので、代わりに家でワインでも飲みながら、この CDを聴く予定です。今から楽しみです。
カラヤン:62年録音の“第九”がガラスCDで復刻 生誕100年記念の第1弾
◇新演奏様式、直接テープから
カラヤン指揮ベルリン・フィルによるベートーベンの交響曲第九番「合唱」が、グラモフォン・レーベル(ユニバーサルミュージック)からガラスCDで復刻される。ガラスCDは日本で開発されて昨年発売され、その音質の良さで大きな話題を呼んだ。ドイツ・グラモフォンのマイケル・ラング社長もその音質にほれこみ、来年の「カラヤン生誕100年記念」の新シリーズの第1弾として、日本で12月15日に発売することになった。
ラング社長は「常に最新の録音技術を投入してきたグラモフォンにガラスCDはふさわしい」と言う。完全予約制の限定300枚(ナンバー付き)で1枚20万円の高価格だが、来年にはドイツ本国でも広める予定だ。
現在のCDはプラスチックの盤に張られた情報をレーザーで読み取って音にするが、プラスチックは完全に透明ではないため読み取りも完全ではない。高級レンズを強化したガラスCDは完全に透き通っており、温度や湿度の変化による影響も受けないため、録音した通りの音がいつまでも同じ状態で聞ける。
ガラスCDを開発したN&Fは昨年、バッハの「G線上のアリア」などを録音した第1弾を制作。これまで約100枚が販売され、評価が海外にまで広がっている。
カラヤン指揮のベートーベン「合唱」は5通り以上の録音があるが、記念のガラスCDには1962年の最初の録音が選ばれた。フルトヴェングラーなどの重厚な演奏に慣れていた耳に、超快速のさっそうとした新しい演奏様式を示し、カラヤン時代の到来を予告した記念碑的録音だ。グンドラ・ヤノヴィッツ(ソプラノ)、ヴァルター・ベリー(バリトン)らの名歌手たちもまだ若い。
「この62年版はアナログ録音なので、その良さをガラスCDで再現したいという意図もある」と關素志・ユニバーサルミュージックIMS担当は話す。このためN&Fの福井末憲・録音ディレクターがドイツ・ハノーバーのグラモフォン録音本部に飛び、62年の実際の録音テープからリマスターした。
福井ディレクターは「すでにデジタル化されたものがあるが、コンピューターが自動補正したりするせいで、どうしてもきれいな作り物になってしまう。直接に元から取ることによって当時の新鮮さをそのまま生かせた。LPで聴けばそのままアナログで聴けるが、雑音なども入るので、直接リマスターしたものをガラスCDで聴いてもらうのがベストと思う」と言う。付録として、聴き比べ用に従来のリマスターCDも付ける。
ユニバーサルでは今後も、「これぞ永遠に残したい」という録音をガラスCD化していく予定。高価なことについては「完全な音を求めて予算を惜しまなかったので、これでも割安」という。【梅津時比古】
[毎日新聞 2007年10月10日]
今年最も楽しみにしていたツィンマーマンのリサイタル。余りに期待していたので、S席のチケットを6枚購入して、周囲に配っていました。
FRANK PETER ZIMMERMANN Violin Recital
ピアノ:エンリコ・パーチェ2007年11月28日(水)19時 紀尾井ホール
J.S. Bach: ヴァイオリン・ソナタ第3番
Brahms: ヴァイオリン・ソナタ第2番
J.S.Bach: ヴァイオリン・ソナタ第5番
Beethoven: ヴァイオリン・ソナタ第9番「クロイツェル」チケットの申し込み
カジモト・イープラス 0570-06-9960
http://kajimotoeplus.com/
ところが突然中止の連絡がありました。
本当なら、今頃コンサートの余韻に浸っていたはずのに・・・。本当に残念。リサイタル中止の手紙は下記。
2007年11月21日
お客様各位
株式会社 梶本音楽事務所フランク・ペーター・ツィンマーマン 公演中止のお知らせ
謹啓
この度は、『フランク・ペーター・ツィンマーマン ヴァイオリン・リサイタル』のチケットをお買い求めいただき、誠にありがとうございます。
来る11月28日(水)紀尾井ホールにて予定しておりました『フランク・ペーター・ツィンマーマン ヴァイオリン・リサイタル』公演は、急病により医師から一週間の安静を命じられたため、中止となりました。ツィンマーマンは現時点において、病状が回復次第、12月1日、2日のNHK交響楽団定期演奏会に出演するため来日する予定で、弊社と致しましても何とかリサイタルを延期する方法がないものかと模索致しましたが、その後のスケジュールやリサイタルの準備が整わないとの本人の意向を受け、やはりリサイタルを3回とも中止せざるを得ないと判断致しました。
つきましては、チケットの払戻しを、2007年12月20日(木)までにお買い求めのプレイガイド、または弊社にて承ります。お手続きの方法は別紙をご参照下さい。
お客様にはご迷惑をおかけし、大変申し訳なく存じますが、何卒ご了承賜りますようお願い申し上げます。
敬具
やけ酒飲んでやるぅ・・・!(涙)
今回は、「パガニーニの手」について語ってみたいと思います。
ヴァイオリン演奏史に燦然と輝く巨匠パガニーニ (1782-1840年)。彼は新たな奏法をそれまでの伝統に加え、彼が残した「24のカプリス」は、バッハの「無伴奏ヴァイオリンのためのソナタ&パルティータ」が旧約聖書と呼ばれるのに対し、新約聖書と呼ばれることがあります。更に、ヴァイオリン以外の楽器の演奏家にも影響を与え、リストやシューマン、ブラームス、ラフマニノフらが、彼の曲を編曲したり、彼の曲を主題とした曲を発表しています。そうした曲を集めた CDを聴いて、改めて彼の凄さを感じます。私は、「ラ・カンパネラ」をクライスラーが編曲したものを練習したことがありますが、「ラ・カンパネラ」は彼のヴァイオリン協奏曲第 2番第 3楽章に対してつけられた名前で、ピアノ用にリストが編曲したものが有名です。
演奏を得意とした作曲家の手の特徴は、作曲される曲に反映されることが多いように思います。リストの住んでいた家に行ったとき、彼の手から型を取った彫像があったのですが、非常に大きなものでした。リストの曲は手が大きい方が弾きやすいことは、ピアニストにとっての定説です。ラフマニノフはマルファン症候群という説がありますが、病気により手が大きかったため、彼の曲も手が大きい方が弾きやすいと思います。ヴァイオリン演奏においては、サラサーテは手が小さい方が弾きやすく、パガニーニは手が大きい方が弾きやすいと言われています。では、パガニーニは手が大きかったのか?それについてもこれから検討したいと思います。
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今、クラシカという音楽専用チャンネルで、樫本大進のリサイタルを放映しています。
リサイタルはまず、バッハの無伴奏パルティータ第3番から始まります。第 1楽章は出だしのためか固く、傷も多々あります。徐々に調子が上がっていきます。
第 3楽章は、私が以前レッスンで直されたところを完璧に演奏していて、お手本のように聴きました。私がレッスンで指摘されたのは下記。
①舞曲なので、出だしは舞踊の一歩目のような音で。
②3小節目の 2拍目で一度終わる。 6小節目の 2拍目でも同様。このテーマは繰り返されるが全部そうする。
③25-26小節目の上の声部をクリアに。
④26小節の 3拍目、27小節の 1拍、3拍目は切って演奏。
⑤34拍目の 3拍と 4拍はボウイングを分ける
⑥82小節目以降の持続音を響かせる。
その次の曲は、イザイ作曲のヴァイオリンソナタ第2番を演奏。この曲はバッハの無伴奏パルティータ第 3番の第 1楽章のテーマをなぞるように始まります。バッハの無伴奏ヴァイオリン 6曲全曲弾けるようになったら、イザイにも挑戦してみたいと思っています。
樫本大進のリサイタルの公式サイトで、彼の曲への思いを見ることが出来ます。
樫本大進 無伴奏ヴァイオリン・リサイタル
96年、日本の若手ヴァイオリニストが世界に衝撃のデビュー。彼の名は、樫本大進。権威あるロン=ティボー国際コンクールで当時史上最年少優勝という快挙を果たした。その後、国内外の有名指揮者・オーケストラ・演奏家との共演を幾たびも重ね、その目覚しい活躍には目が離せない。そんな彼が、日本で始めて無伴奏リサイタルのツアーを行う。
このリサイタルに向けて樫本大進さんからメッセージが届きました。
「初めての無伴奏リサイタル。チャレンジですが、期待していて下さい」 樫本大進バッハのパルティータ第3番は8歳の頃に初めて弾いた作品で、とても懐かしい曲です。今回この曲を弾くことで自分がどう変わったかを知ることにとても興味があります。テッツラフの演奏を聴いた事がありますが、この作品は舞曲が沢山入った、音楽的に非常に興味深い作品だと思っています。イザイは演奏会で始めて弾きます。第2番は昔から弾きたかった作品です。フレーズをバッハのパルティータ第3番の第1楽章から取った作品で聴衆の方々にも大変興味深い曲だと思っています。ジェミニアーニは12歳位の時、ヴィエニャフスキ・コンクールに行った時に弾きました。イタリアのバロック音楽ですが、技術的に非常に難しい作品でとても珍しい雰囲気を持っています。バルトークのソナタは子供の頃からメニューインやリッチの録音で何度も聴いた作品で、とても弾きたかった曲です。挑戦的で恰好良く、大好きな作品です。
樫本大進氏のコンサートはこれまで何度か行きました。メンコンやロンカプを聴いたことがありますが、ザハール・ブロンから師を変えて、演奏がどんどん変わっています。今回のリサイタルも面白かったし、これからが楽しみです。
以前紹介したDVD「レナード・バーンスタイン 音楽のよろこび~オムニバス~」の第2話は、「ジャズの世界」でした。
バーンスタインは、「Young people’s concert」という一連の講義の、第2話「アメリカ音楽ってなに? 」で、ジャズこそが、アメリカの民族音楽であると結論づけています。
バーンスタインは、「長い間 音楽の頂点は作曲家とされてきましたが ジャズは演奏家の芸術なのです」と述べ、その魅力を語ります。ここでは、主としてブルースを例に取ります。古典的なジャズで、解説しやすいからかもしれません。私は、ジャズについて、時々聴くことはあっても、きちんと勉強したことがなかったので、興味深く拝見しました。以下、内容を簡単に紹介します。
①音程
ジャズの音階は、正規の長音階 (ドレミファソラシド) を変形させて使います。それには、第3音 (ミ)、第5音 (ソ)、第7音 (シ)を半音下げます。この3つの音をブルーノートと呼びます。ただ、これらの音程は、旋律のみで使われ、ハーモニーは正規の音階で作られます。旋律での音階とハーモニーの音階が違うことに由来する不協和音が、ジャズをジャズらしくします。
また、4分音 (隣り合う音程を4分割して生み出す音程) がジャズにはあり、これはアフリカ音楽に由来するとされます。しかし、ピアノでは表現出来ないので、隣り合う2音を同時に鳴らし、その間に求める音があるとします。
ここで、バーンスタインは、アフリカで覚えてきた歌を歌って聴かせてくれます。アフリカの雰囲気がしっかり伝わってきます。
②リズム
基本はビートです。1小節に主として 2ないし 4拍を途切れず続けます。テンポは一定です。これが鼓動となります。さらに、シンコペーションが加わります。これには 2通りの方法があり、規定のアクセントを移動させたり、予想外の個所に置いたりします。
バーンスタインは、8ビート (12345678:1と5が強拍) を例にとって解説します。弱拍である4番目の音を強くするとルンバに聞こえ、さらに強拍である5番目の音を鳴らさなければコンゴに聞こえます。
③音色
ヴィブラート、弱音器などを用いて、「ジャズの音」を作り出します。④形式
ブルースを例に取ります。本来のブルースには、伝統的な詩の形式があります。2行連句 (弱強の5歩格) と呼ばれます。例を出します。「わたしの彼は嫌なやつ あいつは最低の男」。ブルースでは1行目を繰り返します。「わたしの彼は嫌なやつ そうさ 私の彼は嫌なやつ あいつは最低の男」。バーンスタインは、「ということは、シェークスピアの 2行連句でも ”マクベス・ブルース” を歌えるはずなのです」と、実際にブルースを ”マクベス” をブルースにして歌って見せます。これらのジャズの法則がなかったら、音楽がどう聴こえるか、実演され、その重要性がわかります。上記は基礎的な話をわかりやすく解説したものですが、 DVDでは、更に発展した解説があり、最後にバーンスタイン作曲の「前奏曲、フーガとリフ」が演奏されます。
私がジャズを聴くようになったきっかけは、高校生時代に、「文学部唯野教授」「俗物図鑑」などの名作で知られるなど筒井康隆の小説を読みあさったことでした。書店で手に入る本はほとんど全て読んだと思います。その筒井康隆が、タモリや山下洋輔とジャズを楽しんでいたと知って、山下洋輔のCDを聴いて興味を持ちました。その後キース・ジャレットのCDを買ったりしました。ジャズではないのですが、高名なジャズ・クラリネット奏者ベニー・グッドマンがモーツァルトのクラリネット五重奏曲のCDを演奏したのを貰って聴いたこともありました。
数多くあるグラッペリの曲の中では、ジャンゴ・ラインハルトに捧げられた「Django」という曲が一番好きです。是非聴いてみてください。
前回、「レナード・バーンスタイン 音楽のよろこび」という DVDを紹介しました。
それに対する、はり屋こいしかわ先生のコメントに感銘を受けたので、紹介させて頂きます。
偉大な音楽家を語るときには、いろいろな切り口があると思いますが、バーンスタインは教育者としての功績が大きいですが、彼の教育の魅力は、何かをなすきっかけを夢を以って示すことが出来たことではないかと思います。種を撒く事、とでも言ったらいいでしょうか。
私の大学時代の恩師が、「教育で大切なことは、種を撒くことで、苗を植えることでは必ずしもない。」という主旨のことを昔おっしゃったとき、そのときは月並みな内容に感じましたが、この頃になって、その本意をもっと考えてみるようになりました。種は自分の芽を出しうる畑となるまで何年も土で滋養して、そして時を得て初めて根を張って芽を出す。苗は不幸にして畑が合わなければ直ぐに枯れてしまう。そんなようなことを伝えられたかったのかなと思っています。
バーンスタインと外れてしまいましたが、彼にもそんなところがあるかなと思っています。
表現者としての彼も、ヘンな言い回しですが情緒の筋道-この短調のフレーズに喜びがあり、このリズムに神性がある-みたいな、そんな聴き手へも教育的な面があるように感じます。勿論押し付けがましくなく、自然にそう感じられるのは彼の芸術の特性の一部ではないかと思います。音楽におけるプラグマティズムの美しい理想の具現とでも言いましょうか。例えば彼の演奏によるマーラーあたりは、音の洪水のような彼の交響曲の聞き方を教えてもらったように思います。
冗長になりました。すみません。
久しぶりに音楽の事が語れます。といっても、ワインを一本空けた後の酔っぱらいトークですが。
最近「レナード・バーンスタイン 音楽のよろこび~オムニバス~」というDVDを購入しました。
バーンスタインは、ピアニスト、指揮者、作曲家として幅広い才能を発揮した人物です。
私はバーンスタインの語りが好きで、
①DVD「答えのない質問」→チョムスキーの言語学と音楽の対比
②「Young people’s concert」:バーンスタインが子供向けに行った講義で、「クラシカ」という有料放送で見られます。
③交響曲全集:バーンスタインがベートーヴェンの各交響曲を語った後、各曲が演奏されます。「クラシカ」で見られます。
などを見て感動したものです。
今回のDVDでは、第一話が「ベートーヴェンの『第5交響曲』」。ベートーヴェンが残した下書きの草稿を再現し、現在残された交響曲と対比します。ベートーヴェンが何を考え、どう書き換えて現在に至ったかを知りたければ必見です。ある草稿をバーンスタインは「これはピアノソナタ『悲愴』に似ていて一番好きだ」と語っています。また、運命の最初の草稿は、出だしの部分にはフルートが加えてあったのですが、曲の雰囲気が全然違います。バーンスタインによると、ベートーヴェンは主題が男性の声域に収まるようにフルートを除いたとのことです。聴いてみると一目瞭然です。このような話題が本DVDでは満載です。
「演奏家と手」というテーマを考えると、様々なアプローチがあると思います。
医学的アプローチから、今のところ資料がそろっているのが「パガニーニの手」、現在資料を集めているのが「シューマンの手」。それらについては、今後の約束として、今日紹介するのは職業病としての手の症状です。
練習や演奏により体を痛め、悩んでいる演奏家は多いと思います。しかし、それに対する医学的知見は乏しいのが現状です。しかし、演奏家の手の症状についてまとめた論文を見つけました。発表したのは、世界最高の病院の一つ、Massachusetts general hospital (MGH) の医師達です。
Josef Hassidというヴァイオリニストを知っている方は、ある程度のヴァイオリン音楽通と言えるかもしれません。
Josefについては、将来を嘱望された演奏家として、巨匠達の演奏を集めた「The art of violin」といったDVDで軽く触れられています。私は「音楽の神童達 (下) (クロード・ケネソン著、渡辺和訳、音楽の友社)」という本で彼の人生について読んだことがあります。
今回紹介するのは、早逝の名演奏家、Josef Hassidです。Hassidの精神疾患について、実際に医学論文が書かれています。一部引用しながら紹介します。
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